研究課題/領域番号 |
23K16860
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
仙波 翔吾 会津大学, コンピュータ理工学部, 研究員 (20974546)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | インターフェース回路 / 非同期式回路 / FPGA |
研究実績の概要 |
本研究では、同期式回路と非同期式回路を接続するインターフェース回路の設計支援環境の構築を目的とし、デジタルシステム設計に対するインターフェース回路の設計支援環境の有用性を明らかにする。 今年度は、①バースト転送と②Advanced eXtensible Interface (AXI)に対応可能なインターフェース回路の設計を目標に掲げた。対象デバイスは、Field Programmable Gate Array (FPGA)である。 ①では、バースト転送に対応可能なインターフェース回路の設計を行った。まず、バースト転送への対応として、同期式回路と非同期式回路のサイクルタイムの差とバースト長から、必要となるレジスタ数を定義、設計制約やタイミング制約の定義を行った。その後、提案したバースト転送に対するインターフェース回路をFPGAに実装し、回路面積、レイテンシ、動的消費電力、および消費エネルギーを評価した。同期式回路と非同期式回路の接続で使用される既存のFIFOと比べ、消費エネルギーを最大50%削減することができた。 ②では、AXIに対応可能なスレーブインターフェース回路の設計を行った。AXIに対応するため、既存の同期スレーブインターフェース回路とClick Elementによる非同期インターフェース回路を基にした。その上で、ハンドシェイクプロトコルの定義を行い、回路モデルの検討を行った。また、提案したAXIスレーブインターフェース回路の機能検証を行い、提案したAXIスレーブインタフェース回路が正しくデータを転送することができたことを確認した。 これらの他に、FPGAと同期式深層学習回路を使用した自動走行ロボットを提案した。今後、同期式深層学習回路を非同期式深層学習に変換し、提案したインターフェース回路を用いて、低消費エネルギーなシステム設計を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
やや遅れていると判断した原因は、同期式回路と非同期式回路間のAXIスレーブインターフェース回路の設計を行ったが、同期式回路と非同期式回路間のAXIマスターインターフェース回路の設計まで行うことができなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
まず、同期式回路と非同期式回路間のAXIマスターインターフェース回路の設計を行う。なお、AXIマスターインターフェース回路は、提案したAXIスレーブインターフェース回路の構成を参考にする。 その後、次年度の目標であるインターフェース回路の設計支援環境の構築を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた論文の執筆に間に合わなかったことと購入予定のFPGAボードを変更したことが原因である。そのため、当該助成金を翌年度分の物品費に割り当てる。また、論文の投稿費や旅費は、翌年度分として請求した助成金を使用する予定である。
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