研究課題/領域番号 |
23K17049
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研究機関 | 酪農学園大学 |
研究代表者 |
福田 昭 酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (90827320)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 耐性菌 / 耐性遺伝子 / 堆肥化 / 環境影響評価 |
研究実績の概要 |
家畜排泄物は処理され、堆肥として農地に散布している。適切に処理された堆肥においては、家畜排泄物に含まれている家畜由来耐性菌は大幅に減少する一方で、薬剤耐性遺伝子は一定量残存することが報告されている。しかし、遺伝子検出においては検出された薬剤耐性遺伝子は堆肥中の死菌由来の遺伝子断片の可能性があり、リスクを過大評価している恐れが ある。 家畜由来耐性菌/耐性遺伝子の拡散経路の主要な一つとして家畜排泄物の処理物を介した経路がある。家畜排泄物は主に好気性もしくは嫌気性の発酵を通して、堆肥(もしくは液肥)化処理され、処理後、肥料として農地への散布や排水としての放出が行われる。堆肥処理により有害微生物の除去も行われれるが、もし堆肥化処理が不十分であった場合、家畜由来の薬剤耐性菌/耐性遺伝子の環境への重要な拡散要因となることが示唆されている。また、家畜排泄物は日々大量に発生するため、低コストで効率的な処理方法が求められている。 そこで本研究では、堆肥処理における薬剤耐性菌/耐性遺伝子の実態・動態を生菌ベースで培養法、遺伝子検出法を用いて解明すると共に、薬剤耐性菌/耐性遺伝子を手軽に効率的に除去できる方法を提案することを目的とする。 本年度はin vitroでの評価系の条件設計を行った。特に堆肥化における副資材を用いた際の耐性菌・耐性遺伝子の有効性と死菌の影響を評価するための条件設計が出来たので、今後データの収集が進めることが出来る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はin vitroでの評価系の条件設計を行った。特に堆肥化における副資材を用いた際の耐性菌・耐性遺伝子の有効性と死菌の影響を評価するための条件設計が出来た。
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今後の研究の推進方策 |
条件設計ができたのでデータ集積を進める。 また、糞便を用いた実験データを集積する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の条件設計を行っていたため、サンプル数を増やして実施するまでに至らなかったため。より詳細な条件設計を先の実験系まで行えたので、数を増やしてデータ集積を行うための費用として今年度の予算を使用する。
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