研究課題/領域番号 |
23K17091
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
嶌田 栄樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (40909793)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 蓄電池 / エネルギービッグデータ / 実証分析 |
研究実績の概要 |
2050年カーボンニュートラル社会実現に向けて、地理的に分散した再エネの普及と地域レベルでのエネルギーシェアリングを実現する分散型エネルギーシステムが期待されている。同システムの確立には、①蓄電池の普及、②再エネ・蓄エネ技術を活かした新たな分散型エネルギープランの整備が必須となる。本年度は、家庭部門のエネルギービッグデータを活用し、蓄電池の導入が世帯のエネルギー使用パターンに与える効果を測定するため、分析用データセットの構築および初期的な分析に取り組んだ。 産業技術総合研究所が有するエネルギービッグデータから、家庭用蓄電池を設置している数千世帯に対して、蓄電池の1時間単位の充放電量を抽出した。また、家庭用蓄電池の設置の有無にかかわらず1時間当たりの電力消費量を抽出した。これらのデータセットおよび、世帯属性や気象データ等と突合することで、分析用のデータセットを構築した。本年度は初期的な分析として、蓄電池の充放電パターンの分析や、蓄電池の設置世帯と非設置世帯の電力消費パターンの比較分析等をおこなった。 また、本年度は、家庭部門のエネルギー消費に関する実証研究で先行する米国メリーランド大学やカリフォルニア大学デービス校と関係を構築・強化し、本プロジェクトにおける連携を進めることができた。加えて、再エネ・蓄エネ技術を活かした新たな分散型エネルギープランの開発に向けた経済実験の準備を進めることができた。 以上の研究成果の一部は国内の査読付き学会およびワークショップで報告された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実証分析は予定通りに遂行できており、経済実験の準備も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、実証分析と経済実験をすすめる。得られたデータを分析し、研究成果を国際学会等で報告するとともに、論文の投稿準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が発生した理由として、統計ソフトウェアを購入しなかったことと、論文校正への支出が予定よりも少なかったことが挙げられる。次年度は、今年度に支出しなかったこれらの項目に加え、当初の予定通りの支出を行う。
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