研究課題/領域番号 |
23K17121
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
藤田 知也 北海学園大学, 経済学部, 准教授 (10880263)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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キーワード | 観光列車 / 営業係数 / 地方鉄道 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、①観光列車の運営形態と観光列車が沿線地域にもたらす効果に着目した分析を行い、②観光列車の視点を組み入れた「持続可能で最適な地域公共交通の在り方」を構築することである。2023年度は、①②を達成するための土台となる、観光列車は運営する鉄道事業者に対して効果をもたらしているかどうかを明らかにする研究を実施し、観光列車の導入が運輸収入の増加や営業係数の改善、需要の拡大に寄与しているかどうかを、地方鉄道事業者・観光列車をそれぞれの属性別に定量的に把握した。地方民鉄においては多目的型・SL型で運輸収入の増加ならびに鉄道需要の拡大がもたらされた可能性が、第3セクターでは多目的型の観光列車が需要拡大に貢献していることがそれぞれ示唆された一方、いずれにおいても営業係数の改善につながったとは言えない結果が得られた。 したがって、観光列車は属性によって効果がまちまちで、多目的型・SL型の導入が運輸収入の増加や需要拡大には寄与するものと考えられる。需要の拡大は沿線地域への需要を拡大させることにもつながると考えられることから、沿線地域への観光列車効果という点では、SL型や多目的型の観光列車の導入が有益であると指摘できるが、導入コストを考慮すると多額の費用が掛かるSL型よりも多目的型の方が最適解になるものと思われる。一般に高単価であるレストラン型では運輸収入増加・営業係数に繋がっているとは言えず、料理を提供しているレストラン等の鉄道事業者以外に関わっている企業に対して収益の大部分が支払われている可能性が示唆される。 需要拡大や収益増加に寄与したと思われる観光列車の属性でも営業係数の改善に寄与したとはいえず、収支を改善させるほどの効果までは持ち合わせているとは言えないものと思われることから、観光列車の運行が鉄道事業者にとっては現状メリットがそう大きくないことも同時に指摘できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒアリング調査・資料収集と並行してデータ分析も実施できたことから、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
当面の研究内容として、観光列車の資料収集や鉄道事業者へのヒアリング調査を行うことで観光列車の事例調査を進めると同時に、データ分析を実施する。その後、観光列車に関わっている鉄道事業者以外の企業や団体・沿線自治体にヒアリング調査を行い、地域側からの視点も踏まえて検討を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2024年度に回した調査があることから次年度使用額が生じた。2024年度は資料収集やヒアリングなどの現地調査を中心に使用する。
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