研究実績の概要 |
本研究では,構造物の接続関係をグラフとして扱うことで,構造物の剛性を組合せ的に扱う理論である組合せ剛性理論をはじめとした計算幾何に基づいた直観的形態デザイン手法を探究する.本年度の成果は以下の2件である. (1)規則的に面を取り除いて平坦化可能な立体の作成について,斜方切頂立方八面体と正八角柱からなる空間充填立体について作成可能であることを明らかにした.研究成果について国内会議の第35回折り紙の科学・数学・教育研究集会において発表し,成果に基づいて作成した模型を国際会議Bridges 2023: Mathematics, Art, Music, Architecture, Cultureにおいて展示発表した.さらに,これまでに平坦化可能であることがわかっていた空間充填立体と立体同士の接続関係が同じであることをまとめ,国際会議The 8th International Meeting on Origami in Science, Mathematics and Education (8OSME)に投稿した. (2)棒材がピンで接合されたbar-jointフレームワークについて,部材配置のばらつきを考慮した斜材追加手法を検討した.斜材が集中して配置されると,特定のピンに部材が集まることで施工性が低くなったり,明らかに剛である構造物しか得られなくなるが,斜材を集中して配置することなく柔軟な立方体グリッドを剛にする手法を提案し,国内会議の第46回情報・システム・利用・技術シンポジウムにおいて発表した.
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