研究課題/領域番号 |
23K17186
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
川嶋 大介 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (10813785)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 電気トモグラフィ / イオンチャネル / 逆問題解析 / ナノスケール |
研究実績の概要 |
本研究課題は、非侵襲なイメージング法である電気トモグラフィ(ET)法をもとに、ナノギャップ多電極センサを利用したナノスケールのイメージングを可能とするnano-ET基盤技術を提案し、イオンチャネルのイメージング技術開発のための基礎研究を実施するものである。具体的な研究内容は以下の通りである。 2023年度では、「ナノギャップアレイ電極センサの開発」をサブテーマとして研究開発を実施した。ナノスケールのイメージングをET法で実現するには、非常に狭い領域に電極を複数設置し、アレイ化する必要がある。そこで、石英ガラス基板上に複数電極を同心円状等間隔に並べたナノギャップアレイ電極センサの開発に取り組んだ。 FEMによる電磁場数値解析を利用し、隣接する電極および伝送線路による電磁場の影響を計算し、高精度なインピーダンス計測のためのセンサ設計を実施した。なお、インピーダンス計測範囲は数MHzまでを想定した。本数値解析により、高精度なインピーダンス計測が可能なセンサ設計指針をたてた。また、現状、サブマイクロメートルのギャップが製作限界であったため、最大電極間距離(今回の場合同心円状のアレイ電極なので対向電極)を1μmとして電極アレイを構成することとした。最大ギャップは1μmではあるが、トモグラフィによる画像再構成によりナノメートルスケールのイメージングが可能となる。 現在は、上記設計に基づき製作中であり、次年度初め頃には完成する見込みである。このセンサ上に流路チップを設けて細胞輸送を可能とする一連のシステムを構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ナノスケールイメージングに向けたセンサ製作が進んでおり、その他の実験系は用意済みであるため、次年度実施予定の実験準備が整っている状態であるため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度では、電気トモグラフィによるナノスケールのイメージングに関する実験を実施し、画像再構成によりイオンチャネルに関するイメージングを実施する。必要に応じて、より高解像度な画像再構成法の検討、センサ設計の見直しをして、より高精度なイメージングを目指す。
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