研究課題/領域番号 |
23K17189
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土肥 浩太郎 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (50912797)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ポドサイト / 細胞足場 / 細胞骨格 / 培養デバイス |
研究実績の概要 |
【研究項目1】ゲル硬さがポドサイト樹状突起構造・成熟マーカ発現に与える影響:基底膜を模倣したゲル基板上を細胞足場として培養細胞を単層培養し、かつ培養後の超微形態観察が可能となる培養デバイスの開発を行った。その実現に対しては、ウェルを形成する培養デバイス側壁が液密性を有しつつ着脱可能となる仕様を設計した。その上で、3Dプリンタおよびソフトリソグラフィ技術を用いる事により、樹脂製・シリコーンゴム製の部品を製作・組み立てる事により当該培養デバイスを製作した。培養ポドサイトに関しては、ヒト温度感受性不死化ポドサイトを採用し、通常のウェルプレート培養器の系において足突起誘導条件最適化を試みた。従来の無血清培地、ROCK阻害剤、ラミニンを足場とする培養条件に対し、ポドサイトにとって保護的に働く事が示されているcAMPの誘導体を添加する事により、ヒト温度感受性不死化ポドサイトの足突起誘導効率が高まる事が判明した。 細胞足場としてのゲル基板硬さ条件を振る、ならびにゲル弾性率の定量手法に関しては、AFMとポリアクリルアミドゲルを用いて検証した。種々の濃度条件のアクリルアミドとBisアクリルアミドを異なる温度・時間で混合・重合させたサンプルを作成し、AFMを用いてヤング率を測定した。この検証により、混合するアクリルアミドとBisアクリルアミドの濃度・温度・条件を変える事により異なる弾性率(硬さ)の細胞足場ゲル基板を作成可能である事、およびそれらの定量化が可能である事を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
原子間力顕微鏡装置の故障があり、その故障原因の検索、および故障原因であったモジュールに関して海外からの取り寄せに時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
培養ポドサイトの足突起を誘導する培養条件を、異なる硬さ条件のゲル基板を細胞足場とする培養デバイス内で再現し、培養ポドサイトの足突起誘導条件の最適化を、細胞足場の硬さの観点から探索する。
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