研究課題/領域番号 |
23K17192
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐伯 総太 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (30878327)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 異種移植 / 末梢神経 / 再生医療 / 免疫寛容 / 血液神経関門 |
研究実績の概要 |
脊髄損傷や神経変性疾患による下位運動ニューロン障害に対する治療法はいまだに確立していない。申請者のグループでは、神経幹細胞移植により末梢神経内に脊髄様神経節を作成し、神経再支配を行い、機能的電気刺激で再支配筋を制御するというコンセプトで麻痺治療の開発を進めてきた。申請者は、移植細胞の候補として異種移植に注目し、世界に先がけてブタ胎児由来神経幹細胞を用いた異種移植によりラットの脱神経筋の機能再建に成功した。この研究をさらに発展させ、臨床応用へつなげるためには移植条件の最適化が不可欠である。異種移植の分野では、ドナーとなるブタの遺伝子操作によって免疫寛容を誘導する研究がさかんに行われている。移植臓器や移植部位ごとに免疫反応の制御方法は異なるが、長期の有効性と安全性の二重の課題を克服する方法は確立していない。本研究の目的は、末梢神経内で生じる異種由来移植細胞に対する免疫応答を明らかにして、今後の移植成績の改善へつなげることである。本研究では、免疫条件の異なる移植実験を行い、移植後早期からの組織学的変化や最終的な移植結果を比較することで末梢神経における異種移植の免疫拒絶の評価を行っていく予定である。また、最終評価前に免疫モニタリングも行い、最終的な移植成績との相関も調べる予定である。今後、この移植技術と医療工学を組み合わせることで、治療法のない難治性麻痺に対する新たな治療法の開発を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他大学との連携・協力が必要であり、移植実験数がそれほど多くできなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
移植実験を繰り返し、移植条件の違いにより免疫拒絶の状態を比較していく予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
移植実験の回数が多くできなかったため、今後は実験動物、組織評価のための抗体等の試薬を購入し実験を進めていく予定。
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