研究課題/領域番号 |
23K17193
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
KIM JEONGHYUN 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20844591)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 3次元培養 / オルガノイド / 骨 / 骨細胞 / 細胞核 / 石灰化 / 力学特性 / 力学挙動 |
研究実績の概要 |
本研究では、研究代表者がこれまでに展開した3次元細胞組織体スフェロイド(spheroid)内の骨細胞分化機構を解明することを目的とする。以下に、本年度中の主な研究実施内容と得られた結果をまとめる。 1. スフェロイド内の細胞核形状評価法確立:マウス骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)を用いスフェロイドを作製し、スフェロイド内の細胞核形状観察に挑んだ。3次元培養モデル内中心部の細胞核の観察において、顕微鏡のレーザーが届きにくいため細胞核形状評価が困難であった。そこでIodixanol水溶液を用いて透明化処理し、高解像共焦点レーザ顕微鏡を用いて細胞核形状を計測することに成功した。この研究により、スフェロイド内の位置と細胞核形状の関係を定量的に表すことができた。 2. スフェロイドの力学特性評価:3軸マイクロマニピュレータを用いたガラス板圧縮試験機によりスフェロイドの力学特性を評価した。その結果、スフェロイドのヤング率は長期培養することにより上昇する結果が得られた。また、本研究では、圧縮に対するスフェロイドの粘弾性挙動を観察することができた。 3. スフェロイド内の石灰化評価:ヒト間葉系幹細胞由来スフェロイド及びMC3T3-E1細胞由来スフェロイドの長期培養後、アリザリンレッドS染色を行った結果、スフェロイド内部から石灰化が確認された。スフェロイド内の石灰化機構を調べるため、個々の細胞挙動及び内部の細胞外基質に着目して研究を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度は、スフェロイド内の細胞核形状評価法を確立することができた。また、ヒト間葉系幹細胞及びMC3T3-E1細胞を用いて長期間スフェロイド培養することにより内部組織を石灰化誘導することができた。さらに、これらの力学特性を評価するためのガラス板圧縮試験系を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究により構築したスフェロイド内部の細胞核形状評価法を活用し、スフェロイド内のYAP発現及び細胞核・細胞質局在を確認する。さらに、YAP局在と骨細胞分化の関係を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
倒立型リサーチ顕微鏡を当初購入する予定だったが、計画時より購入費が大きく上回る可能性があったため顕微鏡の購入を断念した。その為、差額が生じた。
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