今後の研究の推進方策 |
ブタを用いた小腸摘出と保存、そして虚血再灌流実験の評価方法は上記のように確立しつつある。続いて、虚血障害状態を流動力学(圧、流量、血管抵抗の変化)のほか小腸粘膜、リンパ組織などの形態学(光顕、免疫染色ERG, CD42)、RT-PCRを用いた分子生物学(mRNA,IL-1,IL-6,TNF,IFN)などの面から評価する。酸素供給、温度条件なども検討する。また、保存状況の評価として、体温条件(37℃)での血液灌流によって、移植を模擬し、保存時同様に各種酵素、ならびに分子生物学評価、病理評価などをおこない適切な灌流条件を探索する。これらによって最適なブタ小腸灌流条件を検討していく。加えて、酸化ストレスマーカーMDA、アポトーシス組織内サイトカイン、組織(光顕・電顕)、組織ATPなどを精査する。さらにICGを保存中に注入し蛍光カメラにて血流動態を観察する。保存温度、灌流流量・圧力の条件比較を行う。これらによって、移植模擬実験による虚血再灌流障害の抑制と免疫担当細胞の解析を行っていきたいと考えている。
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