今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、大腿骨と脛骨の骨孔中心位置の移動方向と移動距離の評価を予定している。 大腿骨側は3Dモデルの大腿骨の顆間窩内側を切除した画像を作成し、顆間窩内壁の外側に垂直な面から骨孔の計測が行えるようにする。BernaldらのQuadrant法を用いてBlumensaat線に水平方向(H軸)と垂直方向(D軸)の座標軸を設定する。術後1ヶ月以内の前内側束(AMB)と後外側束(PLB)の骨孔中心をそれぞれ設定し、術後約1年でのAMB/PLBの骨孔中心は同様に(Ah2/Ad2), (Ph2/Ph2)と設定する。術後1年での骨孔位置の座標を術後1ヶ月の骨孔位置の座標で引き、骨孔の移動方向と移動量を定量化する。 脛骨側は3Dモデルで脛骨のみの画像を作成し、関節面に垂直な方向から骨孔計測が行えるようにする。関節面に対して前後径方向と内外側方向をそれぞれAP軸、ML軸と定め座標設定を行う。大腿骨側と同様にAMBとPLBの骨孔中心をそれぞれ(AAP1/AML1), (PAP1/PML1)と設定すし、術後約1年でのAMB/PLBの骨孔中心は同様に(AAP2/AML2), (PAP2/PML2)と設定する。術後1年での骨孔位置の座標を術後1ヶ月以内の骨孔位置の座標で引き、骨孔の移動方向と移動量を定量化する。 ・大腿骨骨孔中心の移動量式(Blumensaat水平方向/垂直方向)はAMB: (Ah2-Ah1/Ad2-Ad1), PLB: (Ph2-Ph1/Pd2-Pd1) ・脛骨骨孔中心の移動量式(AP方向、ML横行)はAMB: (AAP2-AAP1/AML2-AML1), PLB: (PAP2-PAP1/PML2-PML1) それぞれの骨孔移動量は上記式にて計算を行い、平均値±標準偏差で示し、2つの術式で統計学的な比較を行う。
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