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2023 年度 実施状況報告書

ファッションスタディーズの樹立に向けた日本的課題解決のための挑戦的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23K17266
研究機関神戸大学

研究代表者

平芳 裕子  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (50362752)

研究分担者 蘆田 裕史  京都精華大学, デザイン学部, 准教授 (20642581)
五十棲 亘  公益財団法人京都服飾文化研究財団, KCI学芸課, 研究員(移行) (20968622)
安城 寿子  阪南大学, 流通学部, 准教授 (40829751)
井上 雅人  武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (60388189)
小形 道正  大妻女子大学, 家政学部, 講師 (90778143)
本橋 弥生  京都芸術大学, 芸術学部, 教授 (90817123)
鈴木 彩希  四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 講師 (10982712)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2028-03-31
キーワードファッション / ファッション研究 / 歴史解釈 / 教育制度 / ジェンダー
研究実績の概要

本研究は、日本におけるファッションスタディーズの樹立を目指し、その発展を阻んできた日本特有の問題解決に取り組むものである。欧米ではファッションスタディーズの発展がめざましいが、日本のファッションをめぐる研究は、(1)大学教育における制度的問題、(2)洋服受容に基 づく歴史的問題、 (3)衣服をめぐるジェンダー的問題のために、大きな遅れをとっている。そこで、研究期間5年間のうちに、日本のファッション研究の発展を阻んできたこれらの課題に向けて段階的に取り組む。
まず、研究計画初年度となる2023年度にはプレミーティングを行い、研究課題の共有と役割分担を明確化したうえで、(1)大学教育における制度的問題について取り組んだ。研究メンバー8名がそれぞれの研究機関(神戸大学・武庫川女子大学・京都芸術大学・京都精華大学・阪南大学・大妻女子大学・京都服飾研究財団)を対象として、国立大学・私立大学・美術大学・公益財団におけるファッションの教育研究の現状について調査を行った。さらにその調査結果を、オンラインワークショップ「ファッション研究フォーラム」という形式で成果公開を行った。フォーラムは200名の登録、120名の参加を記録し、さまざまな専門分野に分散していた研究者を集結させ、ファッションスタディーズという学術領域を視覚化させる弾みとなった。また、メンバー各自がファッションスタディーズに関して新聞・雑誌連載、トークイベント、座談会などで話題提供を行い、社会的波及効果を高めた。
一方、メンバーによる共同研究会も開催し、次年度の歴史的課題にむけての取り組みを開始した。分担者の鈴木が、近代日本の着物改良に関する研究発表を行い、メンバー全員で討議を行い、日本のファッション史における歴史的課題の取り組みへの認識を共有した。歴史的課題については2024年度から本格的に取り組む計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究課題1年目の取り組みである(1)大学教育における制度的課題の研究調査を実施し、成果公表を順調に終えた。さらに当初計画においては次年度以降の取り組みとしていた(2)洋服受容における歴史的課題について着手しているため。

今後の研究の推進方策

ファッションスタディーズという新学術領域の樹立のためには、多分野に散在する研究者が交流する機会を積極的に設けることが重要である。そこで、ファッション研究者が多く存在する関西では、中堅・若手も含めて対面でのワークショップを行い、連携を強化する。また、関西でのファッションスタディーズの基礎を固めた上で、オンラインツールを駆使して、そのネットワークを全国へと広げ、新学術領域としての基盤を築くよう努める。

次年度使用額が生じた理由

研究代表者の不測の病気のため。次年度に出張調査および調査準備のための物品購入を行う計画である。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 鷲田清一以降の「ファッション学」2023

    • 著者名/発表者名
      平芳裕子
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 51 ページ: 199-210

  • [雑誌論文] 鷲田清一とは別の仕方で、あるいは鷲田清一の彼方へ2023

    • 著者名/発表者名
      蘆田裕史
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 51 ページ: 211-220

  • [雑誌論文] イヴ・サンローランと日本 1960-70年代2023

    • 著者名/発表者名
      本橋弥生
    • 雑誌名

      イヴ・サンローラン:時を超えるスタイル

      巻: 0 ページ: 2442-251

  • [学会発表] 衣服は第二の皮膚なのか?2023

    • 著者名/発表者名
      平芳裕子
    • 学会等名
      表象文化論学会
    • 招待講演
  • [学会発表] Influence of American Cowboy Culture on Asia, American influence on Japanese fashion in the 1950s: Blue Jeans and Fashion Shows2023

    • 著者名/発表者名
      本橋弥生
    • 学会等名
      Association of Asian Studies Annual Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] ファッション教育の現在ーアメリカ・フランス・日本を事例としてー2023

    • 著者名/発表者名
      本橋弥生
    • 学会等名
      服飾美学会
    • 招待講演
  • [学会発表] ファッション教育の現在ーアメリカ・フランス・日本を事例としてー2023

    • 著者名/発表者名
      蘆田裕史
    • 学会等名
      服飾美学会
    • 招待講演
  • [学会発表] ファッションの歴史から考えるリサイクル2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木彩希
    • 学会等名
      日本繊維機会学会
    • 招待講演
  • [学会発表] ニューヨーク大学の「ファッション・スタディーズ」という学科の科目内容について2023

    • 著者名/発表者名
      本橋弥生
    • 学会等名
      第3回 基幹共同研究「ファッション教育の比較研究会」セミナー(国際ファッション専門職大学)
  • [学会発表] 日本におけるモダン・ファッションの創造-田中千代の活動について2023

    • 著者名/発表者名
      本橋弥生
    • 学会等名
      京都芸術大学 文明哲学研究所「芸術研究の世界#24」
  • [図書] ジェンダー事典2024

    • 著者名/発表者名
      平芳裕子ほか
    • 総ページ数
      769
    • 出版者
      丸善出版
  • [図書] DIGITAL BITES デジタル・バイツ アート&テクノロジーの摂り方2024

    • 著者名/発表者名
      小形道正ほか
    • 総ページ数
      271
    • 出版者
      ビー・エヌ・エヌ
  • [図書] The Cambridge Global History of Fashion: Volume 2: From the Nineteenth Century to the Present2023

    • 著者名/発表者名
      安城寿子ほか
    • 総ページ数
      1524
    • 出版者
      Cambridge University Press
  • [図書] Vanitas No.82023

    • 著者名/発表者名
      蘆田裕史, 鈴木彩希ほか
    • 総ページ数
      184
    • 出版者
      アダチプレス
  • [図書] 服の、先へーファッションヒストリー編 1850-2020(上巻)2023

    • 著者名/発表者名
      平芳裕子, 井上雅人ほか
    • 総ページ数
      142
    • 出版者
      ブックエンド
  • [図書] 服の、先へーファッションヒストリー編 1850-2020(下巻)2023

    • 著者名/発表者名
      平芳裕子, 本橋弥生, 蘆田裕史ほか
    • 総ページ数
      303
    • 出版者
      ブックエンド
  • [備考] 生きられた生活のためにーあるいは何度目かの生活論

    • URL

      https://synflux.io/journal/fap_extended_003

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公開日: 2024-12-25  

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