研究課題/領域番号 |
23K17273
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田中 省作 立命館大学, 文学部, 教授 (00325549)
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研究分担者 |
本田 久平 大分工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (40342589)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2027-03-31
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キーワード | 日本手話 / 非手指要素 / 手話映像処理 / Web手話映像 / スクレイピング |
研究実績の概要 |
研究計画に従い、次の3テーマを重点的に推進した。 1. 手話映像内の同定すべき言語要素の精密化:手話では、手指・腕の他にも表情や顔の傾き・前後への動きなどの非手指要素も重要な役割を果たしている。これまで我々の研究では、主に手指腕部に焦点を当てており、とくに顔やその周縁にかかわる情報は十分ではなかった。ここでは、表情や顔の動作なども含め、どういった点を同定すべき言語要素として加えるか、新たに検討を加えた。表情は眉・目・口の変化や、顔は傾きや前後の位置などに帰着することで、機械的な取り扱うこととした。 2. 再策定した言語要素の自動的な同定のための技術開発:新たに加わった言語要素(表情や顔の動作を構成する諸要素)を手話映像内において自動的に同定するための技術開発を進めた。眉・目・口の変化など、基本的には個人個人の最も平均的な状態を基準として与える必要があった。また、映像の解像度の問題から、顔など詳密にとらえられない問題などもある。顔の前後の動作などは、2次元映像に対する3次元位置の推定など、素直に適用できれば良いが、実際にはそこまで精度良くは推定されない。顔の大きさの変化に近似するなどで代替する方法を検討した。 3. Web上の手話映像のスクレイピング:Web上の手話映像を、一般には短い注釈・説明から効率よく見つける工夫を施した。手話動画に付された注釈を元に、派生的にキーワードを増やしていく方法で、相当量の手話映像が検出できることがわかり、スクレイピングも可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題で注目する一部の非手指要素をとらえるための理論的な枠組みについては、おおむね議論済みである。実装部分については、実験的な検証が未達である点もあるものの、基盤的な技術の導入はなされた。
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今後の研究の推進方策 |
ここまでの議論や作業の成果を、学会発表などで公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本課題の情報学、手話言語学的な面を担う適切な研究支援員を雇用することがかわなかった。適任者を募る。またスケジュール的に学会発表等にいたることができなかったため、それらへも充当する。
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