研究課題/領域番号 |
23K17289
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研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
山下 博美 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (90588881)
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研究分担者 |
岩城 一郎 日本大学, 工学部, 教授 (20282113)
川口 暢子 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (20816277)
丸山 一平 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (40363030)
福永 真弓 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70509207)
湯浅 陽一 関東学院大学, 社会学部, 教授 (80382571)
浜本 篤史 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80457928)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2028-03-31
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キーワード | コンクリート構造物と社会 / 建造環境 / 意思決定 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ダムや防潮堤をはじめとする公共性の高いコンクリート構造物と社会の関係性を包括的に整理し、コンクリート構造物のあり方や社会的課題についての新たな超学際討論空間を、社会学・土木工学・建築学が協働して開拓することである。同時に、複雑に入り組んだ土木・建築業界の構造と関係者、コンクリート構造物が社会に与える功罪の全体像把握を行う。また、コンクリート構造物の各ライフステージの意思決定において現在活用されている工学的価値・判断基準(理論・手法・実践)を文献、インタビュー、事例データを通し整理し、それらと社会学の判断基準との共通点や齟齬を網羅的に分析する。1年目は、コンクリートの採掘場所を訪れる研究合宿を行い、分析枠組みを整理していくことに注力した。研究代表者はフィールドワーク全体やチーム会議のコーディネートを年間を通して行った。分担者は、それぞれの視点から、本研究に貢献できる部分に関しての報告と事前調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究事業全体の進め方について話し合いを行い、まずはダムを中心にして、議論を開始することを決定した。その後、対象となるダムの候補地を挙げ、その中から来年度、訪問を含めて取り組んでいく事例を選んだ。コンクリート構造物が引き起こす「功罪」については、議論はなされているものの、整理はまだ完成していないため、来年度引き続き行っていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
ダムの1事例を中心に、構造物の各ライフステージの意思決定において現在活用されているコンクリート業界内の工学的価値・判断基準の整理と分析(理論・手法・実践):仕組み、事業評価基準(性能、強度、経済性など)、意思決定過程調査。法令や条例など、自らが設定している境界条件と判断基準、その根底にある思想・哲学について調査を行う。それらを「計画・設計、原材料採取、製造、施工、メンテナンス、撤去・廃棄、リサイクル」に分け分析を行っていく。8月には、ダム事例のサイトで研究合宿を行う。研究合宿やチーム会議の全体コーディネートを研究代表者が行う。研究分担者は、各部門からケーススタディーのダムについての事前調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度に雇用予定であった研究アシスタントが、他の雇用のため、本事業に時間を割くことができなかったため、未使用金が発生した。これについては、2024年度以降に、他の研究アシスタントを雇用し、その業務時間を増やしていただくことを通して活用する予定である。
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