• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

気相-液相融合によるナノ物質科学の新開拓:クラスターマテリアルの創製

研究課題

研究課題/領域番号 23K17349
研究機関九州大学

研究代表者

寺嵜 亨  九州大学, 理学研究院, 教授 (60222147)

研究分担者 堀尾 琢哉  九州大学, 理学研究院, 准教授 (40443022)
荒川 雅  九州大学, 理学研究院, 助教 (10610264)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2028-03-31
キーワードナノ物質科学 / クラスター / 超原子 / 気相化学 / 液相化学
研究実績の概要

本年度は、液相技術の開拓を中心に研究に取り組んだ。真空中への液体導入は容易ではないが、我々は、直径数十ミクロンの液滴をピエゾ駆動ノズルでオンデマンド発生する独自の技術を有しており、それに基づいて実験研究を展開した。真空中に特有の急速な蒸発冷却効果のために、純水の液滴は10 ms程度の短時間で凍結するが、微量のポリオールを混合すると凍結が遅延することを見出し、この現象を系統的に調べる実験をまず行った。ポリオールとして、エチレングリコール(OH基2個)、グリセロール(同3個)、キシリトール(同5個)の3種を取り上げて水に混合した結果、凍結の遅延時間は、これら溶質の分子種には依らず、むしろモル分率にのみ依存することを見出した。つまり、OH基近傍ばかりでなく、溶質周囲の水素結合ネットワークの乱れが凍結を阻害するとの仮説に至った。さらに、過冷却状態の液体の物性研究として、発生直後の液滴の形状変化を超高速カメラで追跡する実験に取り組み、四重極振動の周期と減衰時間から表面張力と粘度を評価するなど、新たな知見を得た。
一方で、ポリオール添加による凍結遅延のメカニズムの解明に分子動力学シミュレーションの手法を取り入れて、理論面からも研究を推進した。まず、純水の均質凍結核生成速度の評価に取り組み、既報値をおよそ再現する結果を得た。さらに、エチレングリコール混合系のシミュレーションを開始し、凍結核生成速度の増大が純水の場合よりもさらに低温領域で起きる様子が確認され、定性的な傾向が再現された。
他方、気相技術の開拓に関して、Agをホストとするクラスターに加え、CuおよびAlのクラスターにも研究対象を拡張し、光解離分光、光電子画像分光による電子構造解析を開始した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

真空中での液相化学の開拓を目指す本研究において、急激な蒸発冷却が支配的な真空中においても凍結せずに液相を保つ液滴の調製が重要な技術開発の一つであり、その実現への基盤となる基礎研究を進めることができた。

今後の研究の推進方策

引き続き、真空中で液体を扱う技術の開発を実験・理論の両面から推進するとともに、液相に導入すべき特徴的な気相クラスターの生成と特性評価を進める。さらに、気相クラスターの液相導入に向けた実験の準備を進めてゆく。

次年度使用額が生じた理由

ほぼ予定通りの額を執行した。若干の残額は、次年度の物品費に充てて有効に活用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 真空中のポリオール添加水液滴の凍結過程:凍結時間の観測と分子動力学シミュレーションによる解析2024

    • 著者名/発表者名
      吉岡拓哉、荒川 雅、秋山 良、寺嵜 亨
    • 学会等名
      日本化学会第104春季年会
  • [学会発表] 真空中の蒸発冷却による水液滴の均質凍結:液滴径変化の光測定と相転移挙動の高速画像観察2024

    • 著者名/発表者名
      飯田岳史、堀尾琢哉、荒川 雅、寺嵜 亨
    • 学会等名
      日本化学会第104春季年会
  • [備考] 九州大学大学院理学研究院化学部門量子化学研究室ホームページ

    • URL

      http://www.scc.kyushu-u.ac.jp/quantum/index_j.php

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi