研究課題
挑戦的研究(開拓)
多数の不斉官能基を緻密に制御しつつひとつづきの炭素鎖を合成する困難さから、中分子ポリケチド分子の統一的な合成法は確立されていない。本研究は、高度な分子認識能を有する生体触媒を活用し、ポリケチド骨格を固相上で合成する統一的な方法論を開発するとともに、合成したポリケタイド鎖を天然物に匹敵する複雑さをもつハイブリッド中分子へと昇華するための多段階生体触媒フロー合成系の構築を目的としたものである。
本研究は、従来のペプチド中心であった中分子創薬から脱却し、広大な中分子ケミカルスペースをより広く探索可能とする革新的な中分子骨格合成技術を、重要な医薬資源であるポリケチドを対象として開発することを目指している。ゲノム情報、天然物、生体触媒などの手法を複合した独自性の高い研究であり、これまでの学術体系を変革できる潜在性を有するとともに革新的な技術開発に繋がると期待できる。