研究課題/領域番号 |
23K17475
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30243041)
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研究分担者 |
小西 聡 立命館大学, 理工学部, 教授 (50288627)
橋本 健志 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70511608)
浅井 義之 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00415639)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | Organ-on-a-chip / 制御システム / 糖代謝 / 数理モデル |
研究実績の概要 |
本研究は、Organ-on-a-chip(OoC)技術を基盤とし、各臓器チップの分散型のモジュール化とそれらの電子的同期を実現し、糖エネルギー代謝を中心に、時空を超えた組織生物学的モデルを開発することを目的としている。本年度の研究の焦点は、全身にわたる糖代謝プロセスを数理モデルで表現し、そのモデルをOoCに統合することにあった。特に、グルコースセンサーをチップ上に搭載し、その動作と測定機能を詳細に検討してきた。糖代謝の数理モデルについては、既存の研究を基にして、食事によるグルコースの消化管からの吸収、さらに肝臓や筋肉でのグルコースの代謝消費に関するパラメータを精緻化した。これにより、血中のグルコースとインスリン濃度の変動をより正確にシミュレートできるモデルを開発することができ、食後の血糖値の上昇と下降を的確に再現できるようになった。このモデルはPython言語で開発され、LabViewのPythonノードを通じてOoCの制御系とシームレスに連携する設計となっている。一方、グルコースセンサーの開発においては、自動サンプリング装置を用いた分析手法と埋め込み型のリアルタイム計測システムの両面で検討を行っている。埋め込み型センサーのほうでは、Bluetooth通信を利用してデータを抽出し、タブレットを介してリアルタイムでデータベースサーバーに送信される設計になっている。現在、この迅速なデータ解析を通じて、OoCへの入力系を制御できるかを検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的に従って、本年度はシステム開発を中心に取り組み、制御用の糖代謝数理モデル、Organ-on-a-chip(OoC)からのグルコース信号の取得が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
Organ-on-a-chip(OoC)への刺激入力系もプロトタイプはできているが、細胞への刺激をさらに迅速に伝えるように容積を最小限に抑えた溶液混合システムを確立する。合わせて、評価に適した構造のOoCをデザインしていく予定である。次年度以降は特に細胞系での代謝分析実験にシフトしていき、生物学的パラメータの取得とOoC電子的連関システムの構築に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、細胞観察用顕微鏡を当研究課題専用で購入することを予定していた。しかし、グルコースセンサーを組み入れたOoCの開発段階において、センサーの消耗が予想以上に激しく今後の細胞実験において消耗物品費に大きなコストがかかることが判明した。そのため、細胞を使った実験が主体となる次年度以降に予算を回すこととし、細胞観察用蛍光顕微鏡については別研究課題のものを共用で用いて対処することとした。
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