研究課題/領域番号 |
23K17534
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
古谷 伸子 大谷大学, 社会学部, 講師 (20514326)
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研究分担者 |
田辺 繁治 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (00045262)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | 複合農業 / コミュニティ運動 / タイ |
研究実績の概要 |
コミュニティにおける相対的に独立したメンバーが相互学習を繰り返すなかで、持続的・自律的な実践が可能になるのではないかとの問題関心のもと、研究代表者はタイにおける複合農業のコミュニティを対象に、研究分担者は宗教コミュニティを対象に現地調査を行った。 研究代表者は、タイにおける複合農業やオルタナティブ農業に関する現状について広く情報収集をしながら、次の調査研究および文献研究を行った。(1)サコンナコン県の村落でコミュニティ市場についての聞き取りと参与観察を行い、そこが季節や地域に独自の林産物、農産物や加工食品の販売の場であるとともに、地域内外の人びとにとって情報交換や交流の場にもなっていることを確認できた。常設市場とは異なり、量の多少を問わず、各人のその時の状況に応じて柔軟に出店・販売することができる点も特徴の一つだと考えられる。(2)ラムパーン県における地理的特性を活かした農産物の生産と加工・販売の取組みについて、生産者と食堂を訪問し、聞き取りを行った。(3)先行研究の整理をとおして、現代タイにおける複合農業実践の社会的・文化的な位置づけを図った。 研究分担者は「北タイの農民指導者とコミュニティ運動」を担当し、そのデータ収集のため、チェンマイ県メーワーン郡のカオ・プララーチャーの仏教行者修行地およびその周辺の村で聞き取り調査を行った。今回の調査では、農民指導者であり仏教行者でもあった故プラ・ポーパンの弟子たちおよび親族を中心にデータを収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である2023年度は、タイにおける複合農業やオルタナティブ農業に関する現状を把握し、本研究の方向性を定めるべく、現地調査と先行研究の整理を行った。その結果、比較対照可能な異なるタイプの事例について基礎的資料を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに収集したデータを整理・検討して焦点化すべき点を定めたうえで、引き続き現地調査を行う。また、タイの複合農業実践に関する既存文献(特にタイ語文献)を収集し、体系的な整理を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた調査の一部が、関係先との調整がつかなかったため、実施できなかった。未使用額はあらためて次年度に実施する調査での旅費や調査助手への謝金として使用する予定である。
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