研究課題/領域番号 |
23K17576
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
鄭 躍軍 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (80280527)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | 公募型Web調査 / 標本抽出バイアス / 回答傾向バイアス / 省力回答者(satisficer) / トラップ質問 / 教示操作チェック(IMC) / 指示質問尺度 (DQS) |
研究実績の概要 |
本研究は、Web調査が特有する「母集団の不明確性」「回答の信憑性欠如」などのバイアスを検証し、効果的な回避方法を実証的に開発することを目的とし、登録モニター型Web調査を焦点に、以下の1)~3)の研究活動を推進している。 1)既存の各種社会調査モード(調査実施方法)の社会学的・統計学的特徴を比較することにより、Web調査による社会科学データ収集の利点と欠点を系統的に整理する。2)紙筆版とオンライン版の実験調査により、登録モニターからの標本抽出及び調査票設計に起因するWeb調査の特有バイアスを検出し、特に、回答者の個人属性偏り、質問形式、選択肢配置、質問順序などが回答の信憑性に与える影響を明確化する。3)実験調査データの比較分析により、Web調査をめぐる回答者の個人属性偏り、信憑性が欠ける回答などの特有バイアスを効果的に抑制するための回避方法を取りまとめる。 初年度は、1)を中心に以下の研究活動を展開した。 ・国内外のWeb調査の先行研究事例を収集し、Web調査のバイアス種類と可能な回避方法を検討した。具体的には、「早い者勝ちルール」回答依頼によるバイアス、省力回答(不誠実な回答)、重複回答などの可能な回避方法をまとめた。 ・性別・年齢などの個人属性を基準に、既存の登録モニターの代表性を確認し、標本抽出方法を検討した。特に、モニターの登録属性を活用する重要性が確認できた。 ・既存のWeb調査データを用いて、Web調査に関わる省力回答の類型及び検出方法を実証的に考案した。具体的には、データから回答時間の長さと続けて同一選択肢を選ぶ回答傾向の検出方法の構築を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
複数の既存のWeb調査資料が活用できたため、省力回答者の検出方法及び対応方法の検討は計画以上に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、研究計画の通りに実験調査を準備し、実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
Web実験調査及び紙面型調査の費用相場は予想より上がっているため、一部の研究費用を次年度に繰り越しました。
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