研究課題/領域番号 |
23K17656
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
松崎 克彦 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (80222298)
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研究分担者 |
糸 健太郎 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (00324400)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | 複素解析 |
研究実績の概要 |
ヴェイユ・ピーターソン曲線の可視化のために,以下のような準備を行なった.可積分タイヒミュラー空間はヴェイユ・ピーターソン曲線のパラメータ空間として近年関心がもたれている.可積分性の指数を一般化することなども含めて理論の拡張が試みられてきたが,曲線族の表現とそれを定義する関数空間上の作用素に関する従来からある調和解析的な議論に技術的に依存する部分があった.その問題に関して,複素解析的なタイヒミュラー空間論の視点である曲線の同時一意化の方法により,これまでの理論を見通しよく整備できる研究のある方向について発見することができた.
複素平面の双リプシッツ自己同相写像による円周または直線の像を弦弧曲線という. 弦弧曲線の族はヴェイユ・ピーターソン曲線を含むより一般化されたクラスである.弦弧曲線を像にもつような直線の埋め込みの空間も同時一意化の方法によりタイヒミュラー空間を用いて座標付けすることができる. この空間について2つの問題が考えられている: (1) 空間は連結であるか? (2) 弦弧曲線に対して定まる弧長パラメーターからリーマン写像パラメーターへの対応は連続か? この問題が弦弧曲線の可視化のためにどのように影響するかを研究した.
双曲幾何的に表現される擬対称埋め込み写像にに関して,以下の研究を行なった.任意に与えられた2つの双曲的1点穴あきトーラスについて、一方からもう一方への変形を与えるために最大に引き伸ばす測地線層および左右の地震変形の測地線層を数値的に求める試みを行った。さらに、これらの測地線層を3次元反ド・シッター空間とみなした SL(2,R) の中で可視化した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理論的な準備段階の研究が先行していて,曲線を生成するためのアルゴリズムの研究にまで進んでいない.
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今後の研究の推進方策 |
平面上の単純閉曲線の族に適切な座標付けを行い,その空間に計量を導入し,ある曲線から別の曲線への最も効率的な変形を記述する.さらには曲線を等角接合の方法により1次元空間の同相写像(指紋)で認証する方法を一般化する.これらの理論構成をパッケージ化することにより,目的に応じて座標空間の構造と計量を取り替えて,曲線の変形操作をアルゴリズム化する.さらに,得られたデータから変形のための擬等角写像のベルトラミ係数を書き出し,それを数値擬等角写像を構成するプログラムに乗せて,曲線の変形の過程を可視化する.
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次年度使用額が生じた理由 |
代表者と分担者の個別の基礎的な研究が中心になり,それに予定より多くの時間を費やした.そのため,相互の研究内容を踏まえた研究計画の相談の機会が取れず,実際に打ち合わせをしたのは研究集会に参加した2回に留まった.そのため,研究連絡のための旅費等の使用がされなかった.その分は次年度以降に積極的に研究計画に取り込む予定である.
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