研究課題/領域番号 |
23K17714
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
燈明 泰成 東北大学, 工学研究科, 教授 (50374955)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | 超音波映像法 / 音響画像 / 共鳴周波数画像 / 最大/最小振幅スペクトル比画像 / 接着層 / 潤滑膜 / 品質 / 厚さ |
研究実績の概要 |
1. ハイブリット超音波映像システムの試作 超音波映像装置により音響画像(時間領域)を取得し、これと共にVTK(visualization toolkit)形式で保存されている各点での波形を外部記憶媒体に収録、波形を周波数解析して振幅スペクトルを得るプログラムをPythonにて作成した。各点での振幅スペクトルと参照波形のそれより振幅スペクトル比を得て、共鳴周波数と最大/最小振幅スペクトル比を算出した。算出した各点で共鳴周波数と最大/最小振幅スペクトル比を2次元表示(周波数領域)するハイブリット超音波映像システムを構築した。Si基板上に成膜したフォトレジスト膜に対して取得した周波数領域画像より膜の密度と硬さに相関する音速を計測し、成膜条件による品質の相違を定量化することで同システムの有用性を確認した。 2. 不完全密着界面における音響共鳴の観察 2枚のAl板を2液混合反応型エポキシ系接着剤で接着した接着層サンプルを対象に音響画像を取得し、接着面積を算出した。共鳴周波数画像より接着層の厚さ分布を、最小振幅スペクトル比画像より接着層の密度分布を得た。これらより算出した接着層の密度が電子天秤により実測したそれと一致することを確認し、ハイブリット超音波映像法による接着層評価の妥当性を検証した。また非接着部近傍の時間・周波数領域データと接着部のそれらとを比較することで、界面の密着性が音響共鳴に与える影響を調査した。 3. 界面の密着性を考慮した音響共鳴の理論モデル構築 不完全密着界面における音響共鳴の観察結果を踏まえて、界面密着性を評価するための理論モデルについて検討した。音響画像より不完全密着界面を特定し、この領域の近傍における振幅スペクトル比が完全接着界面を仮定して算出したそれと異なることを利用して界面の密着性が定量化できる可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要に記載のとおり、申請時に計画した研究を遂行し、ハイブリット超音波映像システムを試作してその有用性を確認した。また接着層サンプルを対象として時間領域画像と周波数領域画像を取得して当該システムによる評価の妥当性を検証すると共に、非接着部近傍のデータを得て、これを解析することで界面の密着性を定量評価するための知見を得るなど、進展は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
構築したハイブリット超音波映像システムを駆使してパワー半導体と基板とのダイアッタチ接着層を対象とした検査を実施し、接着層内の欠陥と接着層の厚みを可視化する。またアルミ板と樹脂材料との異種材料接着層を対象とし、接着層の密着性を評価すると共にシングルラップシェア試験を実施し、密着性と強度との相関を調査することに挑戦する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、超音波映像装置から外部に波形を出力し、これを演算して周波数領域画像を取得するためのワークステーションの設備備品費を本年度に計上していたが、研究実績の概要の項目1に記載通り、現有のパソコンとソリッド ステート ドライブにてハイブリット超音波映像システムを試作した。次年度使用額が生じた主な理由はこの設備備品費の不使用によるものであり、この分の費用は更なるシステムの処理能力の高速化のためのワークステーション購入費用等に充てる。
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