研究課題/領域番号 |
23K17740
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
原 雄介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (90452135)
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研究分担者 |
中住 友香 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (80738021)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | 高分子ゲル / 自己組み立て / 自己複製 / ゲルアクチュエータ / マイクロ流体素子 / ゲルロボット |
研究実績の概要 |
本研究では、微小なゲルパーツ同士をゲルの接着性制御技術を用いて、微小空間で組み立てる新たな技術を開発することで、微小なゲルアクチュエータやゲルロボットを簡便に作製可能とすることを目指している。新たな手法の確立を目指して、微小なゲルパーツの合成方法を検討するとともに、合成したゲルパーツ同士の接着手法について基礎検討を行った。合成したゲルパーツが入った容器を揺らし、衝突時にゲル同士を接着させるためには、ゲルの形状や表面電荷が特に重要になる。また衝突時にゲルパーツ同士を接着させることで様々な形状のゲル構造体を実現するためには、ゲルパーツを入れた容器をいかに揺らすかが重要であることが分かった。ゲルパーツが入った容器を様々なパターンで揺らすことができるよう、本研究では詳細な位置制御や速度制御が可能なステッピングモータを採用して検討を行った。ステッピングモータを容器攪拌のアクチュエータとして採用することで、様々なパターンで容器を揺らすことが可能なことを確認した。今後、ゲルの表面電荷や形状をより詳細に検討することで、接着方向の制御等を行っていく予定である。このような制御技術を応用することで、攪拌のみで狙った形状のゲル構造体を実現可能なシステムの構築を目指していきたい。最終的には、このような新たな作製手法を活用することで、マイクロ流路内で活躍する微小なゲルロボットや、マイクロ流体素子などへ応用可能なゲルアクチュエータの大量合成を可能にしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲルパーツの合成方法を検討するとともに、ゲルパーツ同士を攪拌により接着させるための攪拌システム等について検討を行った。詳細な位置制御や速度制御が可能なステッピングモータを用いることで、ゲルパーツを入れた容器を様々なパターンで揺らすことが可能なことを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
微小なゲルパーツ同士を攪拌のみによって接着させるためには、ゲルの形状や表面電荷のデザインと合わせて、ゲルパーツが入った容器をいかに揺らすかが重要なポイントとになる。ステッピングモータを活用することで、多様な攪拌場を構築可能なことを確認した。次年度以降は、詳細な制御が可能な攪拌システムの確立を目指すとともに、ゲルパーツの表面電荷や形状を工夫することで、ゲルの接着方向等を制御可能か詳細に検討を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ゲルの合成検討や攪拌システムの検討を慎重に進めていたため予定よりも時間がかかり、次年度使用額が生じた。次年度はさらなる研究の発展を目指して、ゲルパーツを多様に攪拌可能なシステムを構築することなどに予算を使用する予定である。
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