研究課題
本研究では、「ナノ~マイクロメートルサイズのマルチコア磁性ビーズの磁化ダイナミクス現象の解明」を第一の研究目的とする。次に、この結果を基にした「バイオエンジニアリング応用磁性ビーズの設計指針の確立」を第二の研究目的としている。本年度は、「ナノ~マイクロメートルサイズのマルチコア磁性ビーズの磁化ダイナミクス現象の解明」に向け、マイクロマグネティクス解析および観察実験および磁化ダイナミクス計測実験を実施した。詳細な内容は以下に示す。【解析】磁気双極子相互作用を考慮したマイクロマグネティクスのプログラムコードを開発し、マルチコア磁性ビーズの磁化ダイナミクス解析を行った。得られた結果を磁気双極子相互作用磁界に着目して分析することで、マルチコア磁性ビーズの励起磁界強度・励起周波数に対する磁化ダイナミクスを明らかにした。これらの解析は、学内共同教育研究センターのスパーコンピュータを利用して効率よく実行した。【実験】学内共同教育研究センターのTEMを使用して、実験で使用する磁性ビーズ(シングルコア磁性ビーズ、マルチコア磁性ビーズ)の観察を行い、物理的な一次粒径サイズ、二次粒径サイズの確認を行った。また、シングルコア磁性ビーズとマルチコア磁性ビーズの磁化ダイナミクスの計測実験を行った。実験結果と解析結果の比較を今後行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り、マルチコア磁性ビーズの解析および磁化ダイナミクスの計測実験が実施できている。
マイクロマグネティクス解析を継続して実施すると同時に、磁化ダイナミクス計測実験結果との比較を行い、磁性ビーズの物理パラメータの同定を行う。次に、マルチコア磁性ビーズの磁化ダイナミクスのモデル化を行い、「マルチコア磁性ビーズの磁化ダイナミクス現象の解明」を行う。次に、この結果を基にした「バイオエンジニアリング応用磁性ビーズの設計指針の確立」を行う。具体的には、等価的な磁気の大きさと応答性を、マルチコア磁性ビーズを構成する磁性ナノ粒子のコア径、コア間の距離およびマルチコア磁性ビーズの流体力学径をパラメータとして定量化する。これにより、それぞれのバイオ応用に最適なマルチコア磁性ビーズの設計指針を確立する。
磁化ダイナミクス計測実験を実施したが、既存の測定装置を用いて実施した。当初、新規な測定装置を開発予定であったが、基礎的な実験データを得ることができたこと、また、解析に重点を置いて研究を実施したため、次年度使用額が生じた。本年度は、より高感度な測定装置を開発する予定である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 3件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件)
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