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2023 年度 実施状況報告書

植物のカドミウム吸収を抑制する根圏微生物の機能メカニズム解明への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 23K18023
研究機関静岡大学

研究代表者

橋本 将典  静岡大学, 農学部, 准教授 (20615273)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2025-03-31
キーワードカドミウム / 根圏微生物 / シロイヌナズナ
研究実績の概要

本年度は,植物の根から分泌される二次代謝産物の合成を欠損するシロイヌナズナ変異体を自然土壌で生育させ,地上部のイオノーム解析を行った。その結果,いくつかのミネラルの蓄積量が変異体と野生型を比較した場合に変化した。また,変化するミネラルの種類は土壌によって異なっていたが,土壌の種類によらずカドミウムの蓄積量は変異体で顕著に増加することが明らかになった。このことから,根から分泌される二次代謝産物が自然土壌におけるカドミウムの蓄積を抑制する機能を持つ可能性が示唆された。
根圏微生物叢を無菌的に生育させた植物に接種する実験系を用いて,植物生育用培地に塩化カドミウムを様々な濃度で添加した。その結果,カドミウムの添加により葉の黄化症状を伴う典型的なカドミウム過剰ストレスを再現する条件を明らかにした。また,根圏微生物叢の接種によりカドミウム過剰ストレスの表現型の変化が観察された。以上のことから,確立した実験系は植物のカドミウム蓄積における根圏微生物叢の機能を調べるのに有効であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

植物のカドミウム蓄積における根圏微生物叢の機能を調べるという本研究の目的に向けて,必要な実験系が確立できたため。

今後の研究の推進方策

当初の計画に沿って研究を推進する。特に、カドミウム過剰ストレスの変化に関わる植物側の反応経路や微生物側の要因に着目して解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は7万円ほどで、全体の予算額から見るとそれほど高額ではなく、人件費の支出などで変動があったものの、ほぼ当初の計画の通りに研究費を使用したと考えている。次年度も当初の計画に沿って研究費を使用し研究を進める計画である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 根圏微生物叢の理解を通じたバイオコントロールの可能性2024

    • 著者名/発表者名
      橋本将典
    • 雑誌名

      Proceedings of PSJ Biocontrol Workshop

      巻: 17 ページ: 38-46

  • [学会発表] 根圏微生物叢の理解を通じたバイオコントロールの可能性2024

    • 著者名/発表者名
      橋本将典
    • 学会等名
      第17回バイオコントロール研究会
  • [学会発表] 植物共生微生物叢から考える持続可能な農業2023

    • 著者名/発表者名
      橋本将典
    • 学会等名
      静岡県先進的農業推進協議会・令和5年度研究成果情報交換
  • [学会発表] 根圏微生物叢による植物の栄養吸収促進と病害抑止の理解に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      橋本将典
    • 学会等名
      令和5年度東海植物病学研究会
  • [備考] 静岡大学植物圏微生物学研究室HP

    • URL

      https://wwp.shizuoka.ac.jp/pmi/

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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