研究課題/領域番号 |
23K18052
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
河邊 玲 長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 教授 (80380830)
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研究分担者 |
阪倉 良孝 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (20325682)
高橋 洋 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 教授 (90399650)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | ブリ属交雑個体 / バイオロギング / 回遊生態 / ゲノム解析 / ブリ / ヒラマサ |
研究実績の概要 |
【交雑個体の回遊生態調査】 東シナ海から日本海西部にかけてのブリの産卵盛期である3月に山口県沖合でブリとヒラマサの交雑個体を釣獲する遊漁船に大型の親魚を捕獲してくれるように依頼していたが、普段は3月に回遊するとされている交雑種の群れが出現せず、放流調査を断念せざるを得なかった。次年度は、もう少し早い時期(例えば11月)から親魚の確保を依頼するとともに、1月頃には他船からの情報を収集して適切な策を講じる。 【ゲノム解析】 ブリとヒラマサの雑種個体の迅速・簡便な判別を行うために、日本産ブリ属4種(ブリ、ヒラマサ、カンパチ、ヒレナガカンパチ)各10個体のゲノムDNA試料をサンプリングし、ダブルダイジェスト制限部位関連DNAシーケンス(ddRAD-seq)ライブラリを作成し、次世代シーケンス解析に供した。得られたシーケンスリードから各種に特異的な一塩基多型(SNPs)をスクリーニングした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東シナ海から日本海西部にかけてのブリの産卵盛期である3月に山口県沖合でブリとヒラマサの交雑個体を釣獲する遊漁船に大型の親魚を捕獲してくれるように依頼していたが、普段は3月に回遊するとされている交雑種の群れが出現せず、放流調査を断念せざるを得なかった。次年度は、もう少し早い時期(例えば11月)から親魚の確保を依頼するとともに、1月頃には他船からの情報を収集して適切な策を講じる。
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今後の研究の推進方策 |
ブリとヒラマサの雑種個体(ブリヒラ)の捕獲実績のある山口県西部海域(長門市)にて調査を行う。9月までに長門市の定置網にて捕獲された形態的にブリヒラが強く疑われる10個体以上を長門市の仙崎漁港内の生け簀にて養生する。生け簀から個体を取り上げて個体識別用の簡易標識を背びれに取り付け、遺伝子解析用の標本として尻ビレの先端を1cmほど切除して保存する。標本からゲノムDNAを抽出して、核ゲノムの複数遺伝子座とミトコンドリア遺伝子(母系遺伝を確認する)の解析に供し、種と雑種を判別する。この作業は研究分担者の高橋と阪倉が実施する。ブリおよびヒラマサの成熟体長を完全に超える4個体に前年度と同様のロガーを取り付けて捕獲された定置網近傍の海面に放流する。これらの個体から得られるデータによって、放流からの次の産卵期までの群れ行動の持続性(離合・集散を含めて)を秒単位の高い解像度で再現することができる。この作業は研究代表者と阪倉が実施する。 前年度に引き続き、交雑個体の捕獲実績のある山口県沖にて大型の親魚(体長:100cm以上)を捕獲して、深度・水温・水平位置を経時記録できる切り離し浮上式データロガー(以下、ロガー)を取り付けて5-7個体を放流する。ロガーは放流からヒラマサの産卵期(5-7月)が完全に終了した翌年度8月上旬に切り離し装置が作動するように設定しておく。ロガーが浮上後に衛星経由で行動データを取得できるので、データ回収率は100%である。装置を物理的に回収してダウンロードすれば各測定項目について時間解像度が高いデータが得られるので、浮上後には装置の回収を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は予定していた調査が実施できなかったため、旅費をはじめとする当初予算を使用することができなかった。来年度にこれらの予算を繰り越し、本年度に実施できなかった使途にこれらを使用する予定である。
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