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2023 年度 実施状況報告書

老化しないモデル生物がもつヌクレオーム制御機構の推測

研究課題

研究課題/領域番号 23K18086
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

藤 英博  国立遺伝学研究所, 先端ゲノミクス推進センター, 特命准教授 (10353468)

研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2025-03-31
キーワードハダカデバネズミ / エピジェネティクス / DNAメチル化 / メチローム / ヌクレオーム / 健康長寿
研究実績の概要

抗老化・抗加齢医学の分野で注目されるハダカデバネズミ(Heterocephalus glaber)は、実験用マウスと同じサイズでありながら、その寿命は約30年とマウスの10倍に及び、がんを形成せず、心臓病・動脈硬化・アルツハイマー病の症状も現れない。通常、動物は年を取るにつれて死亡率が上がるが、ハダカデバネズミはこの一般的な法則から逸脱する唯一の哺乳類であるとされている。
このユニークな特性の原因を探る研究が世界中で行われており、2012年には約4,000個の断片化したゲノム配列が公開され、ハダカデバネズミがもつ遺伝子セットの概要が明らかになった。しかし、これらの断片化したゲノム配列を用いた研究はまだ少なく、老化を回避する分子機構については多くが不明である。その中で、2022年には30個の染色体の形で新しいゲノム配列が公開された。そこで、この新たなゲノム配列データとゲノム上のDNAメチル化データを使って、ハダカデバネズミがもつ染色体上の3次元的な特徴を推測し、そのユニークな特性に寄与する「染色体が働く仕組み」を解明する研究を進めている。
初年度はハダカデバネズミの脳・肝臓・線維芽細胞・子宮のDNAメチル化データを新たなゲノム配列上に配置し、各組織の染色体レベルでのDNAメチル化マップを作成した。これにより、染色体全域のDNAメチル化パターンの変動を捉えることができた。さらに、最新のアノテーション情報も活用して、新たなゲノム配列上にコードされた遺伝子群の情報を整備した。これらのデータを統合することで、ハダカデバネズミの染色体上の3次元的な特徴を概ね推測することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、ハダカデバネズミの脳・肝臓・線維芽細胞・子宮のDNAメチル化データを使って、各組織の染色体レベルでのDNAメチル化マップを作成した。さらに、最新のアノテーション情報も活用して、ハダカデバネズミの染色体上の3次元的な特徴を概ね推測することができた。

今後の研究の推進方策

今後、マウスなど他の動物種の染色体データと比較し、ハダカデバネズミに特有な染色体上の3次元的な特徴を明らかにすることを目指す。最終的には、これらの特徴がハダカデバネズミのユニークな特性にどのように寄与しているのかを詳しく解析する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由は、計画していた出張がキャンセルとなり、そのために予定していた旅費を使わなかったためである。この余った初年度の助成金は、学会大会への旅費として翌年度に使用する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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