研究課題/領域番号 |
23K18105
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
松永 康佑 埼玉大学, 情報メディア基盤センター, 准教授 (60464525)
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研究分担者 |
舘 知宏 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50586740)
堀山 貴史 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (60314530)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | ウイルス外殻 / タイリング理論 / 準等価理論 / ドッキング / 分子シミュレーション |
研究実績の概要 |
CasparとKlugの準等価理論により様々な外殻構造のサイズは分類できているが、サブユニット構造が形成するインタフェースそのものの形にどのようなバリエーションがあるのかを与える理論は存在しない。特に近年、多くの外殻構造が解明されるとともに、準等価理論から外れる外殻が見つかっており、それらを理解して将来的に設計できるようになるため、サブユニット同士が自己集合し正二十面体を作る必要十分条件は何か?どのようなサブユニット形状ならばインターフェースを形成できるのか?を明らかにすることが本研究の目的である。これまでの我々の研究により、二面体の切り開きによるタイリングという観点からTriangulation (T) number=1の外殻構造の任意のサブユニット形状について記述・分類することができてきたが、そのアプローチが準等価理論から逸れるT=2や6の外殻のサブユニット形状について適用できるか調べる。 そのために本年度は、T=2や6の代表的な外殻構造が複数のサブユニットから成る菱形タイルについて、サブユニット満たすべきタイル形状や物理手化学的性質について調べた。具体的には、T=6に属するジカウイルスの外殻構造は6個のサブユニットが組み合わさって菱形タイルを構成しているが、平面展開したときにサブユニットが満たすべきタイル形状を見つけた。現在その形状が我々が開発してきた二面体の切り開きの観点から作成できるかどうかを調べている。また、物理化学的観点からT=2や6の外殻のサブユニット同士が安定に結合するモードの特徴について調べた。具体的には、ペアワイズ剛体ドッキングシミュレーションを行って結合ポーズのスクリュー軸を求めた。その結果、T=1が2-3-5回回転対称軸で安定化する結合モードのみを持っているのに対し、T=2や6ではそれ以外の軸も安定する複雑なランドスケープを持っていることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タイリング理論研究は概ね計画通りに進捗しているが、それを補佐する物理化学研究の数値計算研究がやや遅れているので今後大学院生を加えて計算を推進する予定である。具体的には、T=2や6では平面展開で記述したタイルを球面にしたときに、一部のサブユニット形状が変形する必要がわかっているので、現在物理化学的にその変形がどのように許容されているのかをサブユニットの基準振動解析を行い、広くタイリング理論との整合性を調べていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
サブユニット同士の物理化学的相互作用や構造の変形の数値計算を推進するために大学院生を加える。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文掲載料(オープンアクセス化費用)の使用タイミングがずれたため、費目や使用目的へ変更せずに次年度に繰り越して使用する予定である
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