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2023 年度 実施状況報告書

極寒耐性の理解へ向けたキイロショウジョウバエの研究基盤の整備

研究課題

研究課題/領域番号 23K18122
研究機関筑波大学

研究代表者

戸田 浩史  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 助教 (80862010)

研究分担者 田中 良弥  名古屋大学, 理学研究科, 助教 (00839409)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
キーワード低温耐性 / ショウジョウバエ / 遺伝学
研究実績の概要

地球上の多くの地では四季が存在する。冬季の低温は生命体にとって致命的であり、冬を乗り越えることは生物にとって非常に重要な課題である。昆虫を代表とする小型生物では、その地にとどまり、様々な越冬戦略を取ることで生き残りを計らなければならない。驚くことに、東シベリアの極寒を生き延びることができるショウジョウバエの種が30を超えて存在することが明らかになっている。
生態学的研究から、昆虫の多くは秋から冬にかけてwinter morph(冬型形態)と呼ばれる相転移現象を呈し、冬の寒さに強い個体になり、成虫で冬を乗り越えるものが存在することが知られている。たとえば、ショウジョウバエは、秋期に低温で発生段階を迎えることで、その成虫の体色が黒色に変化する冬型形態が誘導される。冬型形態を呈する個体は、低温耐性を獲得していることが知られており、上述の極寒地に生息するショウジョウバエ種も冬型形態を誘導することによって越冬していると考えられている。低温によって引き起こされる生殖休眠のような現象は報告されているが、どのような分子メカニズムで冬型形態が誘導され、低温耐性を獲得するのかという理解は全く進んでいない。そこで、初年度である2023年度は、まず「キイロショウジョウバエの冬型形態を評価するシステムの構築」を目指した。まず、3Dプリンターを用いて、ハエ個体を正確に格納できるチャンバーを作成することに成功した。さらに、LEDのリング光源とこのチャンバーを組み合わせるで、極めて高い再現性でハエ個体に調香し、画像取得とその体色定量を実現できる可能性を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予期したより、体色変化を撮影して定量する試みが困難を極めている。試行錯誤の結果、光のあて具合で体色の明るさが変化してしまうことが判明しため。

今後の研究の推進方策

再現性良く体色の違いを実験ごとにばらつきがないようにするため、光を均一にショウジョウバエに照射する装置を見出した。現在、この照明装置を用いて撮影を試み系の確立を模索中である。問題を解決する糸口を見出したので、これを用いて研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

予想以上に定量する方策に時間がとられたため、予定を次年度に繰り越しし研究を実施することになった。

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公開日: 2024-12-25  

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