卵子発生の基点となる原始卵胞の静止期を維持する機能因子の同定を目的として、現在までのところ組織学的にレトロスペクティブに同定されている静止期卵母細胞の機能因子を同定することにより原始卵胞研究の根本的な解析基盤の確立を目指している。 これまでにES細胞から卵母細胞の発生を再現する体外培養系を確立してきた。そして生体内環境の模倣により原始卵胞を体外誘導することに成功している。これまでに生体内環境の模倣として圧縮圧力と低酸素状態の2つを見出していた。両者の相加的、相乗的効果の有無を明らかにするためさまざまな圧力値と酸素濃度の組み合わせにおいて原始卵胞の誘導実験を行った。その結果、低酸素と圧縮圧力の組み合わせにより原始卵胞の体外誘導に相乗的効果が見られることが明らかとなった。この培養系の改良によって大規模な機能因子のスクリーニングが可能となったと考えている。
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