研究課題/領域番号 |
23K18211
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大戸 梅治 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (90451856)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | チオレドキシン / インフラマソーム / NLR / 炎症 |
研究実績の概要 |
チオレドキシン(TRX)システムは生体中の酸化還元状態を制御する主要な要素として知られる。自然免疫系のインフラマソームセンサーは、病原体や危険に伴う分子パターンを検出し、炎症やpyroptosisを促進し、その過度の活性化は自己炎症性疾患やがんに関係する。 応募者はインフラマソームセンサーであるNLRP1についての研究を進める過程で、NLRP1とTRXが結合することを見出した。本研究では1.TRX結合がNLRP1活性化に与える影響の解析2.TRX結合によるNLRP1活性制御機構の解析、3.TRXによる他のNLRの機能制御の解析 について、生化学、分子生物学、構造生物学などの手法を用いて解析を進める。本研究は、TRXシステムが自然免疫の活性化のチェックポイントとして働くという新たな概念を提示し、インフラマソームをターゲットにした新規機構の治療薬開発の機会を提供するものとなる。 昨年度は、NLRP1とTRX複合体のクライオ電子顕微鏡解析およびTRXによるNLRP1の活性抑制に関して論文発表を行った(Nature, 2023)。TRXがNLRP1と強固な複合体を形成する分子機構を明らかにした。またTRXの還元状態とNLRP1への結合能の関係を明らかにした。また、TRXによってNLRP1の活性化が抑制されることをHEK293T細胞およびケラチノサイト細胞を用いて実証した。さらに変異体解析によって構造解析の結果を裏付けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NLRP1とTRX複合体の構造解析に成功し、TRXによってNLRP1の活性化が抑制されることを示したため。
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今後の研究の推進方策 |
TRXがNLRP1だけでなく他のNLRの活性化にも影響を与えるかどうかを検証する。NLRP1の活性化刺激の種類とTRX抑制の関係を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の都合上、昨年度は論文発表に注力したため、次年度使用額が発生した。今年度に合わせて使用する予定である。
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備考 |
研究室HP https://kouzou.f.u-tokyo.ac.jp/
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