研究課題/領域番号 |
23K18220
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
古賀 友紹 熊本大学, 発生医学研究所, 講師 (30615092)
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研究分担者 |
佐伯 和子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00553273)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | エピジェネティクス / ヒストン修飾 / EpiFLUX-seq / 炎症 / 細胞記憶 / マクロファージ |
研究実績の概要 |
近年の研究では、エピゲノム情報をシングルセルレベルで解析する試みがなされているが(オープンクロマチンを同定するAssay for Transposase accessible chromatin (ATAC)-see法:Chen, Nat Methods, 2016; マスサイトメーターでヒストン修飾を検出するEpiTOF法:Cheung, Cell, 2018)、未だ多様なエピゲノムを同時に可視化し、一連のオミクス解析に繋げられる強力な方法は確立されていない。そこで本研究では、生命のプログラムである多様なエピゲノム情報をシングルセルレベルで可視化しマルチオミクス解析に繋げる方法(EPIgenome status-dependent Cell sorting and high throughput sequencing; EPIC-seq)を開発し、その方法論を応用して、炎症病態における免疫細胞の新しい側面を捉えることを目的とした。昨年度、米国Van Andel InstituteのDr. PosisilikらのグループからH3K27me3強陽性の膵ベータ細胞は弱陽性のベータ細胞と機能的に異なることが報告された。我々はその方法をさらに活用して、PFAで固定した細胞をソーティングし、脱クロスリンクした後、RNA-seqへと持っていく手法の開発を行った。昨年度はH3K27Ac抗体での検討であったが、本年度はH3K4me、H3K9me、H3K27me、H3K27Crなど多種のヒストン修飾へその適用範囲の拡大を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
方法論としてのEpiFLUX-seqがある程度確立できたから。
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今後の研究の推進方策 |
抗体の種類を変えて、適用範囲の拡大を行う。 酵素阻害剤等を用いて、アッセイのバリデーションも行っていく。 また、炎症病態を引き起こしたマウスにEpiFLUX-seqを適用し、エピゲノム不均一性とその病理学的な意義を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
マウスの維持、飼養費に当てる想定であったが、今年度はin vitroの実験手技の確立に注力したため、その分を次年度へ回す形になった。しっかりと進めていきたい。
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