研究課題/領域番号 |
23K18306
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
森脇 健司 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (50707213)
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研究分担者 |
山田 昭博 公立小松大学, 保健医療学部, 准教授 (40781448)
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70241578)
榛沢 和彦 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (70303120)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | 血管内治療 / ステントグラフト / 圧力 / 力 |
研究実績の概要 |
大動脈瘤や解離の治療法であるステントグラフト内挿術は年々施術件数が増加しているが,術後遠隔期の瘤破裂に課題がある.特に,瘤内への血液流入を同定できない瘤拡大であるエンドテンションは,術中および術後に瘤内の圧力分布を詳細に調べる手段がなく,その機序は未解明である.そこで本研究では,研究代表者が開発を進めるフレキシブルセンサ技術を応用し,ステントグラフトの接触圧力や瘤内の血圧分布を計測するセンサを開発する. 2023年度は,主にフィルムセンサによる計測精度の確認と弾性率を合わせた血管モデルの作製について取り組んだ. まず,計測精度の確認について,計測中は血管モデルに変形が生じるため,センサにフレキシビリティが求められるが,フレキシブルであってもセンサ自身の変形で計測誤差が生じる可能性がある.センサ計測面の湾曲度の違いによるセンサ特性の違いについて調査し,誤差量の確認や低減策の検討を行った. また,血管モデルの作製について,シリコーン(PDMS)を主材として,その濃度を変更することで弾性率を制御できることを確認し,動物の大動脈とのコンプライアンス特性のマッチングについて引張試験や静水圧不可試験などを通じて検討した. 今後,フィルムセンサをステントグラフトの周囲に配置し,デバイスをカテーテルシースに格納できるか,瘤モデルに留置し瘤内血圧や血管モデル-ステントグラフト間の接触圧力を計測できるか試みる.グラフト留置前後の瘤内の圧力分布の変化を捉え,エンドテンションの機序解明に繋がる知見の獲得を目指す.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
補助事業期間中(2023-2025)の研究室実施として,フィルムセンサによる計測精度の確認とステントグラフトへのセンサ実装を主に実施することを計画していた. 初年度である2023年度は,計画通り,計測精度の確認を実施でき,生体外試験のための血管モデル作製についても進めることができた.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,動脈瘤内圧の計測を進め,フィルムセンサのステントグラフトへの配置,カテーテルシースへの格納などについて試みる.
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度はセンサの精度確認に主に注力したため,当初の計画より実支出額が小さくなった.次年度に計測システム構築などを行い,使用する予定である.
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