研究課題/領域番号 |
23K18325
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
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研究分担者 |
酒井 崇匡 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70456151)
岩永 康秀 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (80906610)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2025-03-31
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キーワード | 整形外科学 |
研究実績の概要 |
腱靭帯は関節を形作り運動を支える重要な支持組織であるが、その変性は変形性関節症・脊椎症など様々な運動器変性疾患の根源となっている。腱靭帯はオーバーユースのほか、閉経、加齢などで変性を来すが、申請者らはシングルセル技術を駆使した解析によって、炎症や過剰な力学的負荷で誘導され、腱靭帯の修復過程を指揮する新規Progenitorを同定し、各シグナル群が腱靭帯の恒常性維持や修復をどのように制御しているかを包括的に理解するに至っている。また並行して申請者らは、二種類のPEGを混合して均一な網目構造を有するゲルを術野で瞬時に形成する技術、Tetra-PEGゲルを応用し、腱癒着防止技術の開発を進めてきた。本研究では、Tetra-PEGゲルに化学修飾を施し、腱靭帯の制御シグナルを適切に操作し、理想的な修復を誘導するInjectable Gel Systemの開発を目指す。初年度はBMS-345541, CHIR99021, SRI-011381などNF-κB、Wnt、TGF-βの作用を修飾する化合物や、リコンビナントタンパクをゲルに組み込む実験を行い、実際にゲル化の妨げにならず、かつ近傍に徐放されることを培養細胞を用いて検証、確認を行った。細胞株としては、tenogenic細胞株TT-D6のほか、腱分化能を有する未分化間葉系細胞株C3H10T1/2,C2C12等を使用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞培養実験まで実施し、予定通りの進捗が得られたと言える。
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今後の研究の推進方策 |
化合物やリコンビナントタンパクを搭載したTetra-PEGゲルをマウス、ラットの変形性関節症や腱損傷モデルに適用し、有効性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:順調に研究が進んでおり、必要以上に経費をかけずに済んだ。 次年度使用計画:次年度以降の経費のかさむ実験・解析に使用する計画である。
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