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2023 年度 実施状況報告書

脳腫瘍患者の皮質構造フラクタル解析による言語優位機能半球推定と皮質形成過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K18334
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

田村 学  東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80453174)

研究分担者 金野 竜太  昭和大学, 医学部, 准教授 (70439397)
都築 俊介  東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90746794)
研究期間 (年度) 2023-06-30 – 2026-03-31
キーワードフラクタル次元解析 / 言語優位半球
研究実績の概要

令和5年度は、MRI収集とフラクタル次元解析法の確立のための準備を完成させた。脳腫瘍患者と日本人健常脳の比較を行うため、同一施設で同一機種によるMRI撮影を必要とするため、研究協力機関(岐阜中部療護リハビリテーション病院)の倫理委員会承認を先行して取得した。その後共同研究機関との一括中央審査による倫理委員会申請と承認を続けて取得した。具体的な健常脳には、脳腫瘍や脳血管障害などを認めない日本人16名健常脳MRIを収集する(T1WI画像から、A:皮質構造の複雑性の指標としてフラクタル次元解析を行い、健常脳の左右解析結果を比較する。また、B:脳皮質形成(Gyration)に注目した脳溝Labeling法解析を行い、データベース構築する。上述AとBの解析結果比較を行う。脳腫瘍脳は、脳腫瘍局在が言語野近傍の患者において、Thin slice(2mm)3D-volumeのT1WIを基本とし、言語機能脳回間の連合線維をはじめ、脳内白質線維走行に注目した拡散テンソルDTI画像収集・解析を行う。術前に機能的MRIを撮像し、言語活動部位局在と左右差についてデータを取得する。フラクタル次元解析では皮質厚みとフラクタ ル次元をSPM12に含まれるCAT12 Toolboxで算出し、脳溝Labeling法では研究協力者(Mangin)の開発したBrainVISAを用いGyrationを含め解析する。DTI画像は、Probabilistic法ではFSL を、Deterministic法ではMedINRIAを用い、FA値計測と共に白質神経線維を解析する。倫理委員会承認後、解析方法の妥当性検証のため該当想定される患者候補者についての上記解析シミュレーションを実行した。解析結果も得られたため、予定通り患者及び健常者のMRIデータ収集を問題なく行えることを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

倫理委員会の申請、承認を経て予定通り患者及び健常脳収集を行っている。健常脳は予定以上数が収集できているが、腫瘍脳と年齢等の調整が必要であるため、想定範囲での収集と解析を予定する。

今後の研究の推進方策

目標の健常脳16例、脳腫瘍32例を予定通り収集すると同時に、優位半球を規定するための検討を行う。覚醒下手術における脳機能マッピング、言語線維を反映する白質繊維解析、言語タスクをもとに取得した機能MRIの同時収集例があれば追加検討を実施する。このことにより、実際の優位半球決定に影響を与える因子の解析も行えることが次の目標となる。

次年度使用額が生じた理由

症例登録が進むことに伴い、白質繊維解析のためのソフトウェア追加、AI解析が必要の場合に備えた追加CPUを備えた解析機器購入のための費用を計上する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Diffuse glioma-induced structural reorganization in close association with preexisting syntax-related networks2023

    • 著者名/発表者名
      Kinno Ryuta、Muragaki Yoshihiro、Maruyama Takashi、Tamura Manabu、Ono Kenjiro、Tanaka Kyohei、Sakai Kuniyoshi L.
    • 雑誌名

      Cortex

      巻: 167 ページ: 283~302

    • DOI

      10.1016/j.cortex.2023.07.005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Localization and symptoms associated with removal of negative motor area during awake surgery2023

    • 著者名/発表者名
      Tsuzuki Shunsuke、Muragaki Yoshihiro、Maruyama Takashi、Saito Taiichi、Nitta Masayuki、Tamura Manabu、Kawamata Takakazu
    • 雑誌名

      British Journal of Neurosurgery

      巻: ー ページ: 1~9

    • DOI

      10.1080/02688697.2023.2271082

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 脳腫瘍患者のMRI解析による言語優位半球推定の試み-健常脳比較を併用した共同研究-2024

    • 著者名/発表者名
      田村学, 金野竜太, 矢野大仁, 都築俊介, 郡山俊一, 呂聞東, 正宗賢, 川俣貴一, 村垣善浩
    • 学会等名
      第11回国際核医学フォーラム

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公開日: 2024-12-25  

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