研究課題
吸入曝露装置を用いてマウスに様々な香り物質を曝露し、様々な行動試験を行ったところ、不安様行動や多動などの行動異常が観察された。またパルスオキシメーターを用いてマウスの心拍を測定した結果、香り物質により心拍が増加することが示された。これらの結果より、マウスを用いて香り物質による不快感を検出できたと考えられる。また硫酸亜鉛をマウスに投与することで嗅覚を障害させたマウスを作製した。これらのマウスを用いて行動試験を行ったところ、香り物質による一部の行動異常は嗅覚障害マウスでも観察されたことから、嗅覚を介さない行動異常であると考えられた。そこで、これらの香り物質が直接脳へ作用している可能性を検討したところ、これらの香り物質は脳に移行することが示され、脳内の脂質代謝や遺伝子発現に影響を与えることが示された。これらの結果より、香り物質は嗅覚情報のみならず、直接的な脳への移行を介して、神経機能に影響を与える可能性が示された。
2: おおむね順調に進展している
マウスを用いた行動試験や心拍測定により、香り物質による不快感を検出することができた。またこれらの不快感は、嗅覚情報のみならず直接的に香り物質が脳へ作用した結果である可能性を見出すことができた。
今後は、本年度で明らかにした香り物質による脳内の脂質代謝の変化や遺伝子発現変化が、香り物質による不快感とどのように関連するかを明らかにする。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
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