研究課題/領域番号 |
23K18407
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
古宮 栄利子 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助教 (90647009)
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研究分担者 |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40053144)
冨永 光俊 順天堂大学, 大学院医学研究科, 先任准教授 (50468592)
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研究期間 (年度) |
2023-06-30 – 2026-03-31
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キーワード | かゆみ / かゆみ過敏 / アロネーシス / 加齢 |
研究実績の概要 |
人は高齢になると、温冷覚や触覚、痛覚など、多くの感覚を感じにくくなる。しかし、何故か「かゆみ」だけは、訴えが増加する。またそれには、明らかな皮膚炎を伴う症例に加え、一見”正常な”皮膚所見の例も多数存在し、その多くが既存の抗炎症性かゆみ薬(抗ヒスタミン薬ほか)に難治性である。 そこで研究代表者は、「なぜ他の感覚を感じにくい高齢者で、かゆみのみが頻発するのか? 」「一見正常な加齢皮膚でのかゆみの原因は何か?」という謎を明らかにするべく、本研究を開始した。1年目は、高齢者の「一見正常な加齢皮膚でのかゆみ」の評価系を、高齢マウスを用いて確立した。 これまで高齢者のかゆみの原因には、皮膚の乾燥による肌荒れ (ドライスキン) が良く知られているが、高齢マウスの皮膚状態を観察したところ、(当然ながら) 明らかな炎症は観察されない”正常な”皮膚所見であるのに加えて、必ずしも乾燥状態とは言えない状態にあることが明らかになった。次に高齢マウスにおいて、自発的掻き行動によって顕される自発的(化学的)かゆみと、機械的刺激によって引き起こされる機械的アかゆみを評価したところ、高齢マウスにおいては機械的アロネーシス(知覚過敏現象のひとつで、通常は侵襲性のない機械刺激をかゆみと感じる現象)の亢進が観察された。 これらの結果から、高齢マウスにおいては機械的アロネーシスモデルが、「一見正常な加齢皮膚でのかゆみ」の評価指標になるという知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「一見正常な加齢皮膚でのかゆみ」の評価指標になる動物モデルが確立できたと考えられるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今年度に確立した動物モデルによる加齢によるかゆみモデルを用いて、本譜で抗かゆみ薬として使用されている薬剤を投与し、その効果を評価するとともに、加齢によるかゆみの原因や誘発機序を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
博士課程の学生さんの最終学年を初めて担当したところ、思ったよりその指導に時間がとられ、予想よりも研究の時間を確保できなかった。 そこで今後は加齢マウスを10週齢ごとにに別のマウスを用意するなどして、より効率的に加齢によるかゆみ評価を行っていく予定である。
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