研究課題/領域番号 |
23K18807
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡 達志 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (40981402)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 分布回帰 |
研究実績の概要 |
研究成果は下記の2本の論文として公開して、ジャーナルに投稿中である。(1)Distributional Vector Autoregression: Eliciting Macro and Financial Dependence (with Yunyun Wang and Dan Zhu)。この論文では、ベクトル自己回帰は、多変量時系列間の動的な相互依存関係を理解するために、実証的なマクロ経済学や金融分野で欠かせないツールです。本研究では、多変量分布回帰フレームワークを取り入れ、分布インパルス応答関数を導入することで、ベクトル自己回帰の範囲を拡大し、動的な異質性の包括的なビューを提供します。我々は、直接的でありながら柔軟な推定方法を提案し、弱依存の仮定の下での漸近特性を確立しています。(2)Inflation Target at Risk: A Time-Varying Parameter Distributional Regression (with Yunyun Wang and Dan Zhu)。この論文では、マクロ経済変数は、経済、社会、環境要因の動的かつ進化する特性によって駆動され、これらの変数を支配する基本的なパターンや関係を一貫して再形成するため、時間によって変化する分布を頻繁に示します。中心傾向を超えた分布動態をより深く理解するために、この論文では、分布回帰の最近の進歩に依存し、時間変動条件付き分布を構築するための新しいセミパラメトリックアプローチを導入します。我々は、条件付き分布関数に単調性条件を明示的に適用しながら、すべてのモデルパラメータを同時に推定する効率的な精度ベースのマルコフ連鎖モンテカルロアルゴリズムを提示します。我々のモデルは、一連のマクロ経済および金融指標に基づいて、米国のインフレの予測分布を構築するために適用されます。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に問題が無かったため、計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
完成した論文を学会報告などすることにより、より洗練されたものにする。また、追加的な論文と関連した統計ソフトウェアを開発し公開する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
科研費を初めて使用するにあたり、年度会計やその他の規則、会計システムに不慣れだったため、一部の研究費の物品購入が遅れ、結果として翌年度に持ち越すことになりました。本年度については、一部の研究関連の支出を学内から支給された研究費で賄いましたが、翌年度は残った資金を計画通り物品購入に充てる予定です。
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