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2023 年度 実施状況報告書

〈東京津軽人〉の社会学:東京定着過程・帰郷意識・出身地域との関係性の世代間比較

研究課題

研究課題/領域番号 23K18837
研究機関宮城学院女子大学

研究代表者

成田 凌  宮城学院女子大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (90982538)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
キーワード都市移住 / 都市同郷団体 / 他出者 / Uターン / 社会学 / 〈東京津軽人〉
研究実績の概要

本研究の目的は、他出後も出身地域との関係性を保持したり出身地域へのUターンを画策したりする青森県出身の首都圏在住者=〈東京津軽人〉を事例に、遠距離他出者の他出後の東京定着過程および出身地域への帰郷意識について、出身地域との関係性の変化もふまえながら明らかにすることである。
2023年度(後期)は、〈東京津軽人〉への個別の聞き取り調査に先立ち、主に在京期間の長い〈東京津軽人〉が集う同郷団体を介した交流・ラポール形成を企図し、主に(1)東京青森県人会の会合への参加、(2)いくつかのふるさと会の事務局担当者等の代表的な立場にある方々への個人およびグループでのインタビュー調査(約10名)をおこなった。また、(3)その移動元である青森県津軽地方でのフィールドワークも実施した。
その結果、次の点がみえてきた。一つは、出身地域を離れた首都圏在住者が集う各同郷団体といえども、その母体により同郷団体の活動・取り組みの目的や将来的な志向、会員の気質が異なることである。青森県出身者の東京ふるさと会のとりまとめ的な立場にある県人会は、会員同士の交流・親睦もそうだが、地元の自治体やその東京事務所、在青・在京の関連企業などと協働して、東京での青森県関連のPRの支援を通した地域貢献が重要なものとして位置付けられていた。一方で、市町村を母体とするふるさと会については近年、若年の上京者の絶対数の減少等も鑑み、会員数の増加よりもむしろ高齢・在籍年数の長い会員の親睦・交流機能という側面により尽力していく方向が模索されていた。
以上から、出身地との関わりを保持しつつも帰郷しない選択をすることになった〈東京津軽人〉における同郷団体および交流の機会の意義を改めて検討する必要性が浮き彫りとなった。また今後は、「消滅可能性」への現実的な対応の一つとして各自治体が取り組む都市同郷団体との協働の動向についても注視していきたい。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、〈東京津軽人〉の他出後の東京定着過程および出身地域への帰郷意識について、出身地域との関係性の変化もふまえながら明らかにすることを目的とする。そのために〈東京津軽人〉への聞き取り調査〔課題1〕、ならびに質問票調査〔課題2〕を実施する。
2023年度から2024年度前期にかけて、20~30名程度の〈東京津軽人〉への聞き取り調査を実施することを計画している。2023年度(後期:10月~3月)は、個別およびグループでの聞き取りを含め、およそ10名の〈東京津軽人〉への聞き取り調査を実施することができた。また、インフォーマントについても、東京青森県人会や東京ふるさと会(市町村会)、高校同窓会関東支部といった同郷団体の役員・事務局担当者に協力いただけたことから、個々人の東京定着過程や帰郷意識に関する事項はもとより、各同郷団体の変遷や現状についても同時に聞き取り調査をすることができている。さらに、2024年度後期に実施予定の質問票調査についても、同郷団体の事務局担当者の助言も得ながら、準備を進めることができている。
他方で〔課題1〕の実施状況については、現時点で協力を得られているインフォーマントの属性に偏りがあったり、聞き取り調査データの分析が基礎的な段階にとどまっていたりするなど、改善点もある。2024年度は、これらの点について留意しながら、引き続き本研究課題について取り組む。

今後の研究の推進方策

2024年度前期(4月~9月)は、2023年度に引き続き、〈東京津軽人〉への聞き取り調査〔課題1〕を遂行するとともに、質問票調査〔課題2〕の実施に向けた準備をおこなう。
上述したように〔課題1〕を遂行するなかで改善すべき点があるものの、インフォーマントの属性の偏りについては、協力を得られる見通しがあるため、可能な限り当初の計画に則り、既存研究から重要性が示されている属性(年代・性別・学歴・出身地域の都市度)を考慮した理論的サンプリングにもとづいて調査実施予定である。
〔課題2〕については、2024年度後期に、各同郷団体の会員を対象とした質問票調査を実施する計画である。調査実施の時期や方法、質問項目等について、2023年度末以降、一部の同郷団体の事務局担当の方々の協力・助力を得ながら調整・修正をおこなっているところである。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由:当初の想定より質問票調査にかかる経費が多くなる可能性があったため。
使用計画:質問票調査、調査旅費、作業補助員の人件費、図書・消耗品等購入費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 被災者発の復興論:3・11以後の当事者排除を超えて2024

    • 著者名/発表者名
      山下祐介、横山智樹、阿部晃成、市村高志、三浦友幸、宮本楓美子、成田凌
    • 総ページ数
      258
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2024-12-25  

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