研究課題/領域番号 |
23K19009
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
梶原 唯加 京都大学, 理学研究科, 助教 (80981464)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 変分解析 / 組み紐 |
研究実績の概要 |
平面N体問題の周期解としてどのような組み紐型が実現可能か?という問いや,より根本的な問題として,組み紐型を介してN体問題のどのような力学系的性質がわかるのか?という問いへの足掛かりとして,特定の組み紐を実現するN体問題の周期解を得るにはどのような関数空間・境界条件のもとで変分問題を考えればよいかを調べることなどを目標にしていたが,力学系的性質を見出すことに難航したため,方針を変えて平面N体問題に限定せず,ハミルトン系の軌道で組み紐を実現するようなものを具体的に構成する問題を考えることにした.この問題は現在進行形である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(去年度の)研究実績の概要に書いたように,もともと予定していたN体問題に関するを変更し,ハミルトン系と組み紐理論を結びつける研究方針に変更したため.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究概要を変更して,平面N体問題に限定せず,ハミルトン系の軌道で組み紐を実現するようなものを具体的に構成する問題を考えることにした.新たな研究課題を推進するために,いくつかの条件を満たすツイスト写像に対して,それに対応する周期的なハミルトニアンが存在するというMoserの結果を用いることを想定している.これを踏まえて,まず組み紐群の生成元に対応するツイスト写像で,Moserの結果の仮定を満たすような写像を考え,これらのツイスト写像からできるハミルトニアンの合成によって組み紐を実現することを考える.
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は直接経費を全く使用しなかった.招待講演などを通じて,他研究者から旅費の支援をいただいたことや,2024年度中に海外出張の予定が複数決まったことを理由に使用をなるべく控えていたことなどが理由に挙げられる.2024年度は現時点で1週間程度の海外出張を2度ほど予定しているため,2023年度に比べ,大幅に旅費などが必要になることを想定している.
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