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2023 年度 実施状況報告書

太陽光球から彩層コロナまでをつなぐ3次元磁気流体平衡場モデリングコードの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23K19078
研究機関国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

山崎 大輝  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特任助教 (30980445)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
キーワード太陽コロナ / 太陽大気磁場 / 磁気流体モデリング
研究実績の概要

太陽大気中では、電離ガスが磁場と相互作用し多様な磁気流体現象が観測される。また、大気中のガス密度は大気層を跨いで10桁近く変化する。そのため、これらの現象を適切に理解するためには、磁気圧とガス圧、双方の寄与を考慮して、大気中の磁場構造を数値的に再現する必要がある。しかし、これまでの研究では、磁気圧のみを考慮した数値的モデルによるため、ガス圧の寄与が大きい弱磁場領域や低層大気中の磁場がよく再現されない課題があった。本研究は、磁気圧だけでなくガス圧と重力の寄与も考慮した、3次元磁気流体平衡場外挿コードを開発することを目的として進められている。
本年度は、ガス圧の効果を含んだ方程式系での数値計算スキームの最適化を実施した。実際の太陽の観測磁場データを境界条件として与え、これまでのローレンツ力の釣り合いのみを考慮するモデルと外挿結果を比較した結果、本研究で開発されたコードは、より平衡状態に近い磁場構造の解を与えることが確認された。
また、数値計算の結果得られる磁場構造の妥当性評価のため、国内外の地上望遠鏡を用いた太陽大気の磁場観測データの解析も行った。本研究成果を日本天文学会にて発表し、査読論文を投稿準備中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

開発されたコードと既存の手法による磁場外挿結果の残差力を比較し、本研究で開発したコードによる外挿結果の方がより平衡状態に近い解を与えることが確認された。また、外挿された磁場構造の妥当性評価に用いるための観測磁場データの取得および解析が並行して進められたことから、本研究は概ね順調に進んでいると言える。

今後の研究の推進方策

本年度は、ガス圧の効果を含んだ方程式系での数値計算スキームの最適化を実施した。次年度以降は加えて重力の効果も含んだ力学平衡解を導出する様に改修を施し、本年度と同様の性能検証を実施する。加えて、本年度までに取得解析を進めてきた、観測磁場データとも比較検討を行い外挿された磁場構造の妥当性評価を実施する。本年度と次年度に実施する研究内容をまとめて、査読論文として投稿し、国内外の研究会等で成果発表する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (5件)

  • [国際共同研究] ニュージャージー工科大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ニュージャージー工科大学
  • [学会発表] DST垂直分光器を用いた活動領域フィラメントの双方向質量流と磁場構造の解析2024

    • 著者名/発表者名
      山崎大輝, 一本潔, 上野悟, 黄于蔚
    • 学会等名
      2023年度飛騨天文台ユーザーズミーティング
  • [学会発表] GREGOR/GRISによる近赤外面偏光分光観測: 活動領域フィラメントの振動解析2024

    • 著者名/発表者名
      山崎大輝, 川畑佑典, 内藤由浩, 石川遼子, 勝川行雄, Andres Asensio Ramos, Carlos Quintero Noda
    • 学会等名
      2023年度太陽研連シンポジウム
  • [学会発表] 飛騨天文台DST垂直分光器を用いたHe I 10830 Å偏光分光空間スキャン観測による活動領域フィラメントの双方向質量流と磁場構造の解析2024

    • 著者名/発表者名
      山崎大輝, 一本潔, 上野悟, 黄于蔚
    • 学会等名
      日本天文学会2024年春季年会
  • [学会発表] MHD 緩和法に基づく有限プラズマβコロナ磁場外層コードの開発2024

    • 著者名/発表者名
      山崎 大輝, 三好隆博, 井上諭
    • 学会等名
      日本天文学会2024年春季年会
  • [学会発表] GREGOR/GRISによる近赤外面偏光分光観測: 活動領域フィラメントの振動解析2024

    • 著者名/発表者名
      山崎 大輝, 川畑佑典, 内藤由浩, 石川遼子, 勝川行雄, Andres Asensio Ramos, Carlos Quintero Noda
    • 学会等名
      日本天文学会2024年春季年会

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公開日: 2024-12-25  

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