研究課題/領域番号 |
23K19079
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
宮崎 翔太 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 宇宙航空プロジェクト研究員 (10975973)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 太陽系外惑星 |
研究実績の概要 |
本研究では、太陽系外惑星研究の未踏領域である(1)マイクロレンズ法による冷たい系外惑星分布の包括的解明と(2)多様なアーカイブデータを用いた系外惑星分布の時間進化の解明をテーマに設定し、この宇宙における太陽系外惑星の普遍性・多様性の理解やその起源に迫る。
(1)について、本年度は自動微分可能なマイクロレンズモデリングコードを現在開発中である。これは、今後数年間で近赤外線マイクロレンズサーベイ観測を行うPRIME望遠鏡やRoman宇宙望遠鏡による大量の光度曲線データが生み出される背景を考慮し、それに対応するための研究活動である。本研究では、深層学習など近年の機械学習において基盤技術の一つとなっている「自動微分」機能を持つモデル化コードを開発することで、従来不可能であった多次元パラメータ推定やモデル最適化に対応し、大量の光度曲線のモデル化を可能にする。コード開発は順調に進んでおり、解析的にモデル化される部分の実装は概ねまとまっている。今後も開発を継続する。
(2)については、恒星の物理パラメータの関数として系外惑星の存在頻度を推定するフレームワークを新たに開発し、それを視線速度サーベイによって特徴付けられた巨大ガス惑星サンプルに適応したところ、主星の近傍を周回する巨大ガス惑星(ホットジュピター)の恒星年齢依存性を確認した。本解析内容は、Astronomical Journalの投稿論文(Miyazaki & Masuda 2023)として、無事受理・出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テーマ(1)、(2)ともに順調に進展しており、(2)では一つ投稿論文出版まで行えた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)については、開発したコードを実際の観測データ(PRIMEを想定)に適用し、冷たい系外惑星分布を推定するところまで行う予定であるが、PRIMEの光度曲線データが想定よりも遅れる可能性が出る。しかし、その場合も更なるコード開発に注力し、将来のRomanの観測データに向けた対応を行う予定である。
(2)に関しては、推定フレームワークの開発と視線速度法サンプルでの統計解析の結果をまとめる事に成功したため、今後はこの延長として、トランジット法でサーベイされた惑星サンプルにも同様に統計解析を行い、結果を得る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
元々コード開発用のGPUプラットホームを購入予定だったが、円高等の想定外の影響で希望の機種を購入することが困難になった。年度毎の交付決定額を考慮した結果、次年度にまとめて計算機器を購入することを選択せざるを得ないため、次年度に科研費を持ち越すこととなった。
次年度予算は主に計算機器の購入、そして、投稿論文の出版費や学会参加費等に用いる予定である。
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