• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

炭素質コンドライト構成鉱物中の親石元素分布と母天体上での水質変成による影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K19080
研究機関国立研究開発法人海洋研究開発機構

研究代表者

前田 凌雅  国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(海底資源センター), 特任研究員 (00982399)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
キーワード炭素質コンドライト / LA-ICP-TOF-MS / 元素分布 / 水質変成作用
研究実績の概要

計画書に記載の通り、新たに2つのCMコンドライト厚片試料の貸与を国立極地研究所に申請をし、採択された。試料保管のため、真空デシケーターや真空ポンプを用意し、その2つの試料においては2024年度におけるTOFマッピングのための初期分析(反射像での鉱物観察等)を行った。2023年度の研究が始まる前から一部の分析が完了していた試料に関してはベルギーのゲント大学(共同研究機関)に分析を依頼した。分析結果は2023年度4月中には得ることが出来る。後述するように、本研究の分析は2024年度から本格的に行われ、2023年度(半年度分)は基本的に分析の準備に費やされた。
本研究の論文を書くにあたり参照のため必要不可欠な「LA-ICP-TOF-MSを用いた普通コンドライト中の元素(再)分布」に関する論文を学術雑誌に投稿したが、残念ながら受諾されなかった。その論文の改訂は現在進行形で行っている。
2023年度は国内学会1つ、国際学会2つの併せて3つの学会で研究発表を行った。特に国内の学会である日本地球化学会でのポスター発表は、日本に帰国後初めて宇宙化学分野の研究者と議論ができる機会であり、これまで関わりの少なかった日本の研究者に自身の研究を紹介するとともに新たな知見を得る良い機会となった。口頭発表した国際学会の1つでは本研究の海外の共同研究者と直接話すことができ、上述の論文の改訂、本研究の今後の展開などを詳細に議論することができた。上述の両学会発表では本研究のより建設的な知見を得ただけでなく、本研究とは直接的には関係ないがLA-ICP-TOF-MSマッピングが活用できる新たな研究のアイデアも得た。もう1つの国際学会での発表は招待講演である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度の研究が始まる前から一部の分析が完了していた試料に関しては年度内にTOFマッピングを行う予定で準備しており、分析開始直前まで順調であったのだが、不運にも開始直前に共同研究機関先の分析機器に不調が見られ修理に一か月弱を要し、年度内に分析を完了できなかった。また、貸与を申請した試料も年度内には届いたが、キュレーションチームが多忙であったため想定よりも試料を手にするのに時間を要してしまった。そのため、TOFマッピングのための事前分析も想定よりその分遅れている。
先述の通り、「LA-ICP-TOF-MSを用いた普通コンドライト中の元素(再)分布」に関する論文が残念ながら受諾されなかったため、そちらを先に改訂し、投稿しなければならない。
まとめると、想定より遅れが生じているが、研究計画を変更せざるを得ないほど重大ではなく、分析は既に分析・使用実績のある国立極地研究所で行えば分析時間を節約できるため、分析に関しては計画通り行えると考える。

今後の研究の推進方策

2023年度に予定していた分析は2024年度4月初旬に完了する予定であり、そこからCMコンドライト中の元素分布や元素の再分配の議論に必要最低限のデータは得られるはずである。しかしながら、得られた値の再現性、不確定性、代表性等を評価するためにはより多くの試料のTOFマッピングを行う必要がある。そのため、計画通り2024年度は先述の貸与された2つの試料に加えて他に試料を購入し、それらにTOFマッピングを適用する。そのマッピングのための事前分析は先述の通り国立極地研究所で行う予定である。
2024年度もいくつかの学会にて本研究の発表を行うつもりであるが、予定している中でも国際隕石学会への参加は特に重要であり、この学会は宇宙化学分野の研究者が最も多く集まる学会の1つである。その学会で本研究の発表を行い論文化に向けて様々な知見、意見を得るために少なくともこの学会への参加は必須である。

次年度使用額が生じた理由

先述の通り、分析依頼をしていた研究所の分析装置の不調により2023年度支払予定の金額が2024年度に回ってしまうこととなった。また、元々予定していた2024年度分の海外への分析依頼、海外からの研究試料の購入、国際学会への参加等と近年の劇的な円安を鑑みた結果、見積もっていた2024年度分の予算では予定通りに研究が進まない可能性が大いに考えられたため、可能な限り2023年度分の予算を2024年度に繰り越すことを念頭に節約した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [学会発表] Hコンドライト中の親石元素分布と熱変成作用による再分配2023

    • 著者名/発表者名
      前田凌雅、Steven Goderis、山口亮、Thibaut Van Acker、Frank Vanhaecke、Vinciane Debaille、 Philippe Claeys
    • 学会等名
      2023年度日本地球化学会第70回年会
  • [学会発表] The effect of fluid alteration in Antarctic chondrites2023

    • 著者名/発表者名
      Ryoga Maeda, Steven Goderis, Akira Yamaguchi, Vinciane Debaille and Philippe Claeys
    • 学会等名
      The 14th Symposium on Polar Science
    • 国際学会
  • [学会発表] Quantitative elemental mapping of meteorites using LA-ICP-TOF-MS: an advanced screening tool for solid materials2023

    • 著者名/発表者名
      R. Maeda, T. Van Acker, F. Vanhaecke, A. Yamaguchi, V. Debaille, P. Claeys and S. Goderis
    • 学会等名
      4th ToFCON
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] ResearchGate

    • URL

      https://www.researchgate.net/profile/Ryoga-Maeda-2

  • [備考] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/ryoga_lekker_maeda

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi