研究課題/領域番号 |
23K19215
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
隈部 洋平 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (40980751)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 応力発光 / 骨折治癒 / 予備実験 |
研究実績の概要 |
応力発光技術を用いて動物モデルにおける骨折癒合過程を観察することを目的に、実験方法を定めるための予備実験を行なった。他実験で使用済みの動物の余剰骨を利用した。 当初ラットを用いて実験を行う計画であったが、実際に検証を行ったところ、サイズが小さく市販の動物骨折固定プレートとの適合性が悪かった。また試験機を用いて力学的評価を行うため、骨の両端をレジンで台座に固定する必要があるが、サイズが小さいため手技が困難であり、また固定部分が少ないため、荷重時に十分な安定性が得られなかった。そのため、ラットより大型であるウサギの大腿骨を実験対象として検証することとした。ウサギ大腿骨は市販の骨折固定プレートとの適合性が良好であった。また、両端のレジンによる台座への固定も容易であり、力学試験を遂行するのに十分な固定性を得ることができた。採取されたウサギ大腿骨にボーンソーを用いて骨幹部骨折を作成、応力発光塗料を塗布したプレートで骨折部を固定し、両端をレジンで固定したうえで力学試験機で軸圧をかけて発光を観察した。固定が破綻することなく、良好な応力発光を観察することができた。プレートサイズ(規格、スクリュー本数等)、力学試験機設定(荷重量、荷重速度等)、応力発光観察環境(測定器設置数や位置、結果解析方法等)などを調整し、実験に最適な条件を決定した。当初予定していたラットから変更し、ウサギを実験動物として使用することを決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験動物をラットからウサギに変更したことは当初予期していなかったことであるが、研究の進捗を遅らせるものではなかった。実験を遂行するための予備実験を完了しており、概ね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
予備実験の結果を踏まえて本実験へ進む。ウサギに全身麻酔をかけて手術を行う。大腿骨骨幹部にボーンソーで骨折を作成し、応力発光塗料で塗装したステンレスプレートで固定する。最大3ヶ月程度通常飼育を続け、複数のタイムポイントでサクリファイスし、プレートをつけたまま大腿骨を採取する。力学的評価、X線学的評価、応力発光による評価を行い、モダリティ間の相関を解析する。応力発光技術による骨折治癒過程の定量的評価に妥当性があるかを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備実験用に実験動物を購入する計画であったが、他実験で使用済みの動物から余剰サンプルを無償で入手することができたため、次年度使用額が生じた。次年度の動物購入に使用する計画である。
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