研究課題/領域番号 |
23K19280
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷吉 和貴 京都大学, 農学研究科, 助教 (30980817)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 光合成 / イネ |
研究実績の概要 |
光強度の急増に対する個葉光合成の応答は、光合成誘導反応と呼ばれ、圃場環境下における作物の生産性向上に関わる重要形質の1つである。光合成誘導反応はその完了に多くの時間を要するため、応答を迅速化させることが作物の炭素獲得量の増加に寄与すると考えられている。先行研究にて、光合成誘導反応が著しく迅速なインディカ型イネ品種“ARC 11094”が同定されている。本研究では、“ARC 11094”と我が国で広く普及している温帯ジャポニカ型イネ品種“コシヒカリ”の交雑後代を用いて、迅速な光合成誘導反応をもたらす遺伝的要因を明らかにすることを目的としている。 戻し交雑集団(BC1F2)を用いた解析では、7番染色体と12番染色体に光合成誘導反応の遅速に関係するゲノム領域が見出された。これらは先行研究で報告されているものとは異なり、新規の遺伝的要因だと考えられる。7番染色体のゲノム領域は弱光下の気孔コンダクタンス、12番染色体のゲノム領域は誘導反応中の光合成速度の動態パターンと関連している可能性がある。さらに、BC1F3を圃場にて栽培し、地上部バイオマスを画像から推定したところ、系統間で多様性が認められた。現在、BC1F5およびBC2F2のゲノムワイドな遺伝子型決定を実施するとともに、戻し交雑集団の世代促進、および準同質遺伝子系統の作出を試みている。それらを供試し、特定した新規ゲノム領域が及ぼす影響や原因となる遺伝子について、詳細を調査する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
BC1F2における遺伝解析により、光合成誘導反応の遅速に関わる新規ゲノム領域を特定することができた。しかし、その後の世代促進および準同質遺伝子系統の作出について、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
“ARC 11094”が有する特徴を簡便かつ大量に評価できるフェノタイピング系を構築し、戻し交雑集団にて評価する。さらに準同質遺伝子系統を作出し、光合成誘導反応を測定する。これらにより、原因となる量的形質遺伝子座や遺伝子の詳細を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
機材の購入と解析の外部委託が当該年度内に間に合わず、次年度使用額が生じた。 機材の購入と解析の外部委託は翌年度実施予定のため、その費用として計上する予定である。
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