研究課題/領域番号 |
23K19289
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
宮田 椋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (20981426)
|
研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
|
キーワード | モレキュラーネットワーク / 機能性食品 / ケクロモジ / Nrf2 / PPARs |
研究実績の概要 |
本年度は研究対象としているケクロモジ葉および枝混合物中の主成分の同定、80%メタノール抽出物および単離・同定した主成分の生理活性評価を実施した。ケクロモジ葉・枝の80%メタノール抽出物の成分をHPLCにて分析したところ、4つの主成分の存在を見出した。これら4成分を天然物有機化学的な手法により単離し、分光分析化学的手法により立体構造も含めて化学構造を同定した。生理活性評価に関しては、核内受容体やGタンパク質共役受容体を指標としたレポーターアッセイにより、80%メタノール抽出物と単離・同定した主成分のそれぞれのターゲットに対する活性化を評価した。その結果、いくつかのターゲットでケクロモジ葉・枝の80%メタノール抽出物が活性することを見出した。さらに単離・同定した主成分の生理活性評価も同様に実施し、それぞれの活性本体の存在を明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、先行研究のマウスへの食餌投与試験において、脂肪食投与群での血中トリグリセリドおよびコレステロール値、血清グルコース量の減少が確認されているケクロモジの中の有効成分を細胞アッセイにより、同定することにある。本年度の進捗として、レポーターアッセイにより、いくつかの核内受容体やGタンパク質共役受容体の活性化成分を見出すことができたため、概ね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は今年度得られた研究成果を特許化、論文化していく予定である。ケクロモジの更なる有用性を見出すため、レポーターアッセイにより他のターゲットも含めて、可能な限り生理活性評価を実施する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
来年度は学会や国際誌への研究成果の発表が多くなることが予想され、それに伴う旅費や論文掲載料を考慮し、研究費の次年度への繰り越しを行った。
|