研究課題/領域番号 |
23K19295
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
牧 隆宏 京都大学, 農学研究科, 助教 (80977413)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 種なし / CKI1 / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
Cytokinin independent 1(CKI1)は雌性配偶子発達のキー遺伝子であり、種なし果実作物を開発するための有望なターゲットである。完全な機能欠損は致死となり変異ホモ個体を得られないが、Leakyな変異は致死を回避できホモ接合個体は種なし果実をつける。本研究の目的は、どのような変異アレルであれば致死を回避して種なし化に利用できるのかを明らかにすることである。 ナス科、ウリ科、バラ科、ミカン科、イネ科を含む様々な作物のゲノム情報から、CKI1オーソログを探索し、アミノ酸配列のアライメントを行った。機能に重要なレシーバードメインに注目すると、解析に用いた全ての植物種で保存されたアミノ酸残基は3次元的に集中していることを明らかにした。このことから、この部分がタンパク質の機能に重要であると推察し、シロイヌナズナにおいてこの領域を含むガイドRNA(重篤な変異を得られると予想)および含まないガイドRNA(Leakyな変異を得られると予想)を合わせて5カ所設計した。このコンストラクトを導入した形質転換体を作成し、各コンストラクトのT1世代において変異体の候補個体を獲得した。現在それらの自殖後代を栽培しており、今後、変異の導入を確認し、表現型の調査も行う予定である。 トウガラシ種なし変異体tn-1がもつLeakyなcacki1変異アレルは致死性を回避できる。野生型CaCKI1およびtn-1型cacki1をそれぞれ過剰発現させるコンストラクトを作成した。今後はシロイヌナズナのcki1変異体に導入し、致死性回避メカニズムが植物種間で共通しているのかを調査する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
変異の程度が異なると考えられるガイドRNAを設計し、各コンストラクトで変異体の候補を得ることができたことから概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
変異の導入が確認できた個体の後代を用いて変異アレルの伝達率から致死性を評価する。複数のアレルを評価することでCKI1タンパク質の機能や致死性回避メカニズムについて考察を行う。 トウガラシCKI1のシロイヌナズナでの相補実験やトマトでCKI1のゲノム編集系統を作出することで、CKI1遺伝子の機能が保存されているか調査し、その変異が他の植物種でも利用できるかを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
1胚珠のトランスクリプトーム解析を予定していたが、微量サンプルからのRNA抽出に難航し、実施できなかったため次年度使用額が生じた。次年度は引き続き抽出の条件検討に加え、変異アレルと野生型アレルそれぞれで相補実験を行うなど致死性回避メカニズムを明らかにする別のアプローチにも取り組む。
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