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2023 年度 実施状況報告書

根粒共生におけるオーキシンメチル化と細胞応答

研究課題

研究課題/領域番号 23K19376
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

後藤 崇支  基礎生物学研究所, 共生システム研究部門, 特任助教 (60980844)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
キーワード根粒共生 / 植物ホルモン / オーキシン
研究実績の概要

我々はこれまでに、植物ホルモンとして有名なオーキシン(IAA)が根粒共生時にメチル化されることを見出している。本研究では、このメチル化修飾を受けたIAA(MeIAA)の生理機能を解明するために、マメ科モデル植物であるミヤコグサとその根粒共生変異体を用いて実験を行なった。分子の生理機能解析において最も明快な方法は、その分子を投与して生物の反応を観察することである。しかしながら、結果の出力にかなりの時間を要する場合、さまざまな問題が生じる。そこで、今年度はまず、植物ホルモンに対して早期応答性を示すミヤコグサ変異体を探索した。その結果、astray変異体では、通常サイトカイニン処理後1ヶ月ほどでみられる根粒様構造の形成が、わずか10日で達成されることがわかった。さらにMeIAA処理を加えると、その形成はさらに促進された。以上の研究成果については、国際会議(The 6th APMNF)の招待講演などで発表している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の初期段階ではミヤコグサの野生型個体を用いて実験しており、植物ホルモン処理から表現型観察までにかなりの時間がかかる点に苦慮していた。そこで植物ホルモンに対して早期応答性を示すミヤコグサ変異体を探索し、astray変異体を見出したことで、この問題を克服することができた。さらに、当初から予定していた根粒共生に関わる他の植物ホルモンとの相互作用に関する知見も得られ、本研究課題はおおむね順調に進展していると結論づけた。

今後の研究の推進方策

現在、根粒形成が亢進するミヤコグサ変異体同士の交配を行い、二重変異体の作製を試みている。この二重変異体を用いることで、サイトカイニン応答やMeIAA応答がさらに見やすくなると期待される。また、これらの植物ホルモン処理後の根の細胞形態やシグナリングについて、現在調査している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] Auxin Methylation Recruited into Leguminous Nodule Symbiosis2024

    • 著者名/発表者名
      Takashi Goto
    • 学会等名
      The 6th Asian Conference on Plant-Microbe Symbosis and Nitrogen Fixation (6th APMNF)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 根粒菌感染におけるシス-トランス異性化酵素シクロフィリンの役割2024

    • 著者名/発表者名
      後藤 崇支、川原田 泰之、川口 正代司
    • 学会等名
      第65回日本植物生理学会
  • [学会発表] 根粒形成過程におけるオーキシンのメチル化2023

    • 著者名/発表者名
      後藤 崇支
    • 学会等名
      第11回 神戸プラントサイエンス研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 根粒菌感染を支えるシクロフィリン2023

    • 著者名/発表者名
      後藤 崇支、川口 正代司
    • 学会等名
      第32回植物微生物研究会

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公開日: 2024-12-25  

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