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2023 年度 実施状況報告書

液相分離による家族性プリオン病の疾患表現型多様性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23K19405
研究機関長崎大学

研究代表者

丹下 寛也  長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (50980992)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
キーワードプリオン病 / アミロイド
研究実績の概要

家族性プリオン病(fCJD)の原因アミノ酸変異をもったリコンビナントプリオン蛋白質(rPrP)のクローニングが完了し、液相分離させる実験を行っている。申請者が野生型rPrPを用いて確立した液相分離実験系で、条件検討を行ったが、有意な差が見いだせていない。そのため、塩の種類や濃度、ポリマーの分子量を変更し、液相分離する条件を再検討して探索を行っている。今後は液相分離させる条件が確立でき次第、アミロイド形成過程を共焦点顕微鏡や原子間力顕微鏡を使い、時空間的に解析する予定である。野生型rPrPの実験結果から、液相分離すれば、そこから自発的にアミロイドを形成する可能性が高い。得られたアミロイドは、ヒト・プリオンノックインマウスの脳内に播種し感染性を評価する予定である。変異によって異なる神経症状が出るかどうか観察を行い、必要に応じて解剖し病理学的所見を明らかにする。上記の実験を通し、fCJD関連変異rPrPが液相分離する条件の検討、試験管内でアミロイドを形成する過程の時空間的解析と、その病原性の評価を行う。
その他fCJDに起因するアミノ酸変異に依って、多量体を形成する際のコンフォメーションの違いが、アミロイド形成過程に影響を与えると考え、タンパク質の構造予測AI, Alpha fold2を用いて多量体の構造予測を行っている。これらの試験管内とin silicoの計算結果を踏まえて、アミノ酸変異が液相分離からアミロイド形成に与える影響を明らかにしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

疾患変異を持ったリコンビナントプリオン蛋白質の精製はできたが、液相分離の条件について再検討が必要な状況になっている。

今後の研究の推進方策

これまでにコスモトロピック塩がプリオンタンパク質の液相分離を誘発する際に重要であることがわかっているため、塩の種類や濃度の再検討を行う。複合体形成の計算については、Alphafold3を用いて行う予定である

次年度使用額が生じた理由

作成した変異リコンビナントプリオン蛋白質が、想定していたアミロイド化する実験条件を見つけられず、引き続き液相分離の条件検討に使用する試薬などの購入費用に使用する物品の購入にあてる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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