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2023 年度 実施状況報告書

PIP2および代謝型グルタミン酸受容体の分布様式に基づくIP3産生過程の計算モデリング

研究課題

研究課題/領域番号 23K19411
研究機関沖縄科学技術大学院大学

研究代表者

江口 工学  沖縄科学技術大学院大学, 神経活動リズムと運動遂行ユニット, グループリーダー (80470300)

研究期間 (年度) 2023-08-31 – 2025-03-31
キーワードPIP2 / IP3 / 代謝型グルタミン酸受容体 / シナプス伝達 / シミュレーション / 樹状突起スパイン / プルキンエ細胞
研究実績の概要

本研究はシナプス伝達における後シナプス細胞膜内PI(4,5)P2の役割を調べるため、小脳プルキンエ細胞樹状突起スパインのPI(4,5)P2、IP3、およびカルシウムイオンの動態を、PI(4,5)P2や神経伝達物質受容体の分布様式を基に、計算モデルおよびシミュレーションを用いて解明することを目的とする。本年度は、シミュレーションに必要なPI(4,5)P2分子および代謝型グルタミン酸受容体mGluR1αの分布様式のデータを取得するため、研究代表者が先行研究において取得したマウス急性小脳スライスの凍結割断レプリカ標識標本の電子顕微鏡画像(Eguchi et al., 2023)からPI(4,5)P2またはmGluR1α標識金粒子の分布様式(クラスター密度、クラスター内粒子間距離、クラスター間距離など)の再解析を行い、そのデータから神経細胞膜内PI(4,5)P2/mGluR1a分布様式パラメータを推測した。また、他研究グループの先行研究(Hernjak et al., 2005; Brown et al., 2008; Friedhoff et al., 2021)を参考に数理モデルの構築を行い、モンテカルロシミュレーションに進む準備を整えた。
今後は解析したPI(4,5)P2分子の分布様式および構築した数理モデルをシミュレーションツールに組み込むことで、モンテカルロシミュレーションによるIP3/Ca動態の解析を行い、その研究成果を今年度中に論文として発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請書に記載した研究計画の中心であるレプリカ標識データの再解析による神経細胞膜内PI(4,5)P2分布様式の取得、およびIP3生成数理モデルの構築は順調に進捗しており、おおむね計画通りである。

今後の研究の推進方策

今後、これまでに解析したレプリカ標識のデータおよび構築した数理モデルを確率論的シミュレーションツールに組み込み、モンテカルロシミュレーションによるIP3動態の解析を行う予定である。申請書にて使用予定であったシミュレーションツール(MCell/CellBlender)では計算時間やリソースが膨大となり、本研究で用いるのはあまり現実的でないことが判明したため、所属研究機関の他研究ユニットで開発された別ツール(STEPS)の導入を進めている。研究成果は今年度中に論文にまとめ公表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に計画していた国際共同研究機関(オーストリア)での共同研究について、研究の遂行状況から次年度にも訪問する必要があると判断し、当該年度分は別予算から旅費を捻出した。これによって生じた次年度使用額は、当該国際共同研究機関への訪問旅費に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] IST Austria(オーストリア)

    • 国名
      オーストリア
    • 外国機関名
      IST Austria

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公開日: 2024-12-25  

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