研究課題/領域番号 |
23K19862
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯野 萌子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40981501)
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研究期間 (年度) |
2023-08-31 – 2025-03-31
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キーワード | 希少疾患 / 難病 / 質的研究 / 共生社会 / 生活者 / 障害 / 合理的配慮 / 合理的調整 |
研究実績の概要 |
今年度は、インタビューの実施準備として、文献検討とインタビューガイドの作成に注力した。本研究では、複数種類の希少疾患の患者からそれぞれ様々な困難が語られると予想され、その困難はCommonな疾患での内容とも部分的に一致することが想定される。また、「周囲」と患者との関係性は、障害学や看護学でこれまでに論点にされてきた問題とも近しいと考えられる。これらを踏まえ、まずは近接分野の既存文献を参考に研究で扱う用語の整理を行なった。その結果、特に「配慮」という言葉は社会モデルに照らして不適切であり、「調整」などと呼ぶべきだとする近日の議論の高まりを把握した。ただし、「必要な理解や配慮を得られない」という表現は、患者自身により以前発された言葉である。そこで、インタビュー実施者である研究者からは「配慮」の語の使用を極力控えることとしつつ、当事者らの語る言葉の中で「配慮」という言葉が現れるかどうか、またそれら「調整(配慮)」を周囲や社会が行うことについて、患者らがどう捉えているかを把握するようにインタビューガイドをデザインした。さらに本年度は、用語の整理に加え、リクルートに向けた患者会とのネットワークの深化と拡大を行なった。 上記のインタビュー準備に加え、希少疾患を持つ患者にとっては診断がつくまでが長期に及び周囲からの理解も得られない困難な体験になることを踏まえ、未診断期間についてのアンケート調査の分析を行なった。ファブリー病を対象にしたアンケート調査の結果、正しい診断がない時期、患者らの痛みや熱などの訴えは周囲の人々から大袈裟だ、詐病だ、などと見なされることが多いことが明らかになり、その反応が当時の患者自身の症状認識と受診行動にも影響を与えていたことが示唆された。当時の症状に対する患者らの受診行動のデータなどを中心に、患者会の代表とともに学会発表を行なった。現在、論文執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究に関連する文献等のレビュー及び新たな患者会とのネットワーク構築、また国際学会での患者著者との共同発表の実施を優先したため、インタビュー調査の開始予定がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、倫理審査の承認を得た段階であり、研究協力を患者会代表者らに依頼する。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査の開始時期がやや遅れたため、謝金や文字起こしなどの費用を次年度に使用することとなった。
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